丸山佑香、ボーダーレスなミックス哲学。【スタイリストの私服7days】
Fashion 2024.12.09
独自のスタイルを貫く3名のスタイリストの一週間の私服をスナップ。着こなしのテクニックやこだわりから、スタイルの作り方を読み解く。
丸山佑香
YUUKA MARUYAMA
「それとそれを合わせるの?」と問いかけたくなるほどに丸山のスタイルは自由だ。ジェンダーもテイストもブランドも......、従来の垣根を飛び越える、彼女のこだわりが詰まった軽やかなミックススタイルを紹介。
( Monday )
何物にも代え難い、最愛のウエスタンブーツ。
過去何足も買ったもののこれしか履いていないという、唯一無二のヴィンテージのウエスタンブーツが主役。ルイーズ・トロッターをディレクターに迎えた新生カルヴェンのレースショートパンツを古着のスウェットに合わせて、ほんのりガーリーなエッセンスをプラス。異なる個性が絶妙にミックスされたハイブリッドなスタイルに。
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( Tuesday )
韓国の新鋭ブランドも、余すことなくチェック!
少し前に仕事で韓国を訪れた際に買ったシャツはレクトのもの。ユニセックスブランドらしいベーシックなデザインと、ボタンひとつひとつのデザインが異なる気の利いたディテールがお気に入り。パンツはフィービー・ファイロ時代のセリーヌで、シューズはジル サンダー。ハイメゾンとアップカミングな韓国ブランドを合わせるのも丸山らしい。
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( Wednesday )
ミュウミュウミュウミュウ......、とにかくミュウミュウが好き。
コレクションで見た瞬間から絶対に買うと決めていたミュウミュウのフリース。フリースなのにモード感があり、ロゴも可愛くて気に入っているそう。ベルトもパンツも、気付けばクローゼットはミュウミュウのオンパレード。グレーのワントーンスタイルで。ニットとTシャツはともにユニクロ、スニーカーはヴァンズというハイ&ローが見事。
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( Thursday )
職業柄欠かせないのは、結局のところ動きやすさ。
撮影にリースにと一日中動き回ることもしばしば。そんな日は動きやすさを最優先。モード感漂うカッスル・エディションズのコートはラバー製で、シワにならず雨も弾く優れもの。ジャージーパンツはグッチのメンズ。まったくテイストの異なるウエスタン調のレザーバッグを合わせても、全身をワントーンでまとめているため自然とマッチ。
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( Friday )
デザイナーへのリスペクトも、服選びの大切な基準。
何気ない古着コーディネートに見えて、一着ごとに確かなこだわりが。ハンドペイントで彩られたアレクサ スタークのジャケットと、パターンが再構築されたキートのデニムはともに古着をベースにした、デザイナーの真心がこもったリメイクアイテム。正真正銘、世界にひとつだけ。そんな物語に服への愛着とデザイナーへのリスペクトが増すそう。
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( Saturday )
お目当てだった花柄ブーツを、グレートーンで締める。
「フィガロジャポン」10月号の「大人の新ベーシックAtoZ」でリコメンドしたロエベのエンジニアブーツを実際に購入。デザインとディテールは本格的なのに、甘美な花柄プリントというギャップに惹かれたそう。丸山の制服ともいえるユニクロのニット×カルバンクラインのボーイッシュなハーフパンツで、全身が甘くならないようバランスをとった。
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( Sunday )
リアルなワークスタイルは、コレクションルックが参考。
またミュウミュウでごめんなさい、でもそのくらい愛しているんです、と語る丸山。トップは今季の新作ニットシャツ。おしゃれな工場の作業員のようだったとたとえる同アイテムを使用したコレクションルックをイメージソースに、古着のTシャツとアールエイチシーのワークパンツで自分なりのリアルなワークスタイルに落とし込んだ。
アクセサリーブランドTON(トン)のデザインも手がける。実は大のゲーム好きという一面も。来年の発売が噂されているニンテンドースイッチの後継機種と「スプラトゥーン4」の情報解禁が待ち遠しくてたまらない。
*「フィガロジャポン」2024年12月号より抜粋
photography: Tatsunari Kawazu text: Kenichiro Tatewaki