2025年を彩る「ブドワール」トレンドとは?

Fashion 2024.12.17

ヴィンテージのレースや繊細なシルクなど、ランジェリーから着想を得たデザインが、寝室というプライベートな世界を飛び出して、堂々と日常のファッションに登場! ブドワールの雰囲気が漂っている。

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ブラジル、サンパウロでの女優アニャ・テイラー=ジョイ。photography: Starpix for Apple TV+/Shuttersto

サンパウロのステージで注目を集めたのは、アニャ・テイラー=ジョイ。彼女が身にまとっていたのは、20世紀初頭のエレガントなランジェリーを彷彿とさせるシルクとレースのブラトップと膝丈インナー。これを現代風にアレンジしたのはクロエだ。一方、ニューヨークではキーラ・ナイトレイが白いレースのブラウスで登場した。首元までボタンが留められた上品なデザインながら、ブラックベルベットのコートの下からは、お腹とブラが絶妙にのぞくセンシュアルなスタイリングだ。この「ブドワール」ムードを再び加速させたふたりのスタイルに、ファッション界も夢中だ。ブランド戦略コンサルタントのエマ・プレヴォはこう語る。「このトレンドは、皆が求めている『親密さ、心地よさ、そして時代を超えた華やかさ』を映し出している。女性らしい洗練さや、自分らしいスタイルへのこだわり、さらには堂々としたセクシーさを取り戻す動きともいえます。」

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フリルとレースを取り入れて

今シーズンのファッションで最も大胆なスタイルのひとつが、1950年代のオールド・ハリウッドからインスパイアされた「ブドワール」スタイルだ。グラマラスで豪華な時代、官能的な透け感と、体にぴったりフィットした長いフレアドレスが特徴だ。ブドワールの名は、上流社会のプライベートサロンであるブドワール(寝室)に由来する。彼女たちはサロンの化粧台の前で、フェイスパウダーの香りに包まれながら、香水をつけていた。この極めて女性らしいスタイルは、1990年代にマドンナが再び流行らせ、最近ではリアーナがそのスタイルを引き継いだ。今年は、保守的な人をも驚かせる形で復活している。デュア・リパは、5月7日のMETガラで、黒のレースとサテンのコルセットを組み合わせたブドワールなヴァンパイアスタイルを披露した。

エマ・プレヴォによると、「ブドワールファッションの復活は、日常を少し特別にしたいという欲求を反映しています。柔らかな雰囲気と、自信に満ちた官能性が融合したスタイルで、レースやシルクの素材がその象徴です。これらはセクシーさや魅力を表現し、ランジェリーと普段着の境界をぼかす役割を果たしています。また、これらの素材は現代的なシルエットにアレンジされ、透け感や官能的な素材、予想外の組み合わせで、日常にもぴったりなスタイルが生まれています。」

9月、モデルのカーリー・クロスは、パリで行われたクリエイティブディレクター、シェメナ・カマリが手掛けるコレクションに、ケープ襟の透け感のあるレースのブラウスを着て登場した。同じ日、女優エヴァ・アンダーソンもシースルーのトップスを選び、チェック柄の立体感のあるジャケットと組み合わせていた。厳格なシルエットに少し柔らかさとセクシーさを加える完璧なアイテムだ。実際、2025年春夏コレクションでは、ディオール、ウラ・ジョンソン、グッチ、クロエ、ヴァレンティノ、フィロソフィー・ディ・ロレンツォなどのランウェイでこの繊細なトレンドが目立った。暖かい日には、ジマーマンのようにスカートを選んだり、3.1フィリップ・リムのようにエアリーで少しヴィンテージ感のあるキャミソールドレスを選んだりして、優雅さと大胆さをミックスしたルックが楽しめる。しかし、2025年には、このトレンドを受け入れ、最もセクシーさを見せる準備が必要だ。ブラウスの下に見えるブブラ、ヴィンテージ感のあるロングドレス、そしてもちろんブルーマー(ふんわりとしたショーツ)など。「これはランジェリーの一部であり、ショートパンツの概念そのものをアレンジする代替アイテムです。現在の『柔らかさと贅沢さ、そして誰もが自分らしく感じられるセクシーさへの欲求』というニーズを最も代表するアイテムです。重要なのは他人に喜ばれることではなく、自分自身のスタイルを大切にすること。ふんわりした下着を身に着けることで、それを実現することができるのです」とコンサルタントは語っている。

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インティメイトなスタイルが街に登場

この秋、街中で見られるスタイルがどんどん大胆に。まずは、シンプルにキャミソールをジャケットの下に着て大胆さをましていくのが人気だ。次に、より挑戦的なボディスーツやブラをチラ見せすることで、セクシーさを引き立てる。ヴィンテージのレース刺繍の入ったアンダースカートを見つけて、オーバーサイズのニットやメンズジャケットの下に合わせ、ケンダル・ジェンナーのようにフルボディスーツに挑戦するのも今シーズンのトレンドだ。どんなスタイルでも、セクシーさとエレガンスを兼ね備え、少しずつ肌を見せるスタイルが注目を集めている。

レースに加え、来シーズンは透け感と上下の組み合わせがトレンドに。これまで表舞台に出ることはなかったアイテムが、今や堂々と主役になっている。シルクのネグリジェやロングスカートは、もはや下着にとどまらず、ジャケットや大きめのニットと合わせて、日常のスタイルに変身する。2025年、ブドワールの美学と寝室を思わせるエレガンスが街中に登場するだろう。ホテルのスリッパや白鳥の羽のようにフワフワしたポンポン付きミュールなど、年末のパーティシーズンには意外なサプライズが待っていそうだ。

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男性的・女性的なアプローチによるブドワールスタイル。photography: Edward Berthelot / Getty Images

From madameFIGARO.fr

text: Ségolène Wacrenier (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi

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