20周年を迎えたオートクチュール、ジョルジオ アルマーニ プリヴェ

Fashion 2025.02.10

2005年1月、ジョルジオ アルマーニは、パリでブランド初のオートクチュールコレクションとなるジョルジオ アルマーニ プリヴェを発表した。それから20年。今年1月28日(現地時間)、2025年春夏コレクションのショーの舞台となったのは、パリ・フランソワ・プルミエ通りのパラッツォ アルマーニ。19世紀の歴史的建造物を修復し、オートクチュールを手がけるアトリエが居を構える「アルマーニの館」は、20年周年を迎えたジョルジオ アルマーニ プリヴェの発表に相応しい佇まいだ。

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ショーは、19世紀の頃に装飾に美しく蘇ったパラッツォ アルマーニで。photography: SGP.JPG

1975年にミラノでブランドを立ち上げて以来、ジョルジオ アルマーニはソフト仕立てのアンコンストラクテッドなジャケットで一世を風靡し、そのエレガントなスタイルでミラノファッションを代表するビッグネームとして君臨してきた。メゾン設立30周年を機に"プライベート"の意味を持つオートクチュールコレクションを発表したのは2005年のこと。

「オートクチュールは、クリエーションの価値そのものを象徴するものであり、デザイナーの技と芸術の純粋な表現です。レディ・トゥ・ウェアでは、幅広い市場を意識したデザインと流通が求められますが、クチュールではそのような制約がありません。ジョルジオ アルマーニ プリヴェは、私の想像力を自由に解き放つ場所なのです。クチュールとは、それを纏う人を特別で唯一無二なものとしているもの、すなわち「ファンタジー」を表現するものなのです。」とジョルジオ・アルマーニは語っている。

その言葉の通り、20年にわたって年2回ずつ発表されてきたジョルジオ アルマーニ プリヴェでは、誰もが見紛うことのないアルマーニ・スタイルにアトリエのサヴォワールフェールがさらなる洗練を加えている。

2025春夏コレクションで、アルマーニはLumière(煌めき)にテーマをとった。さまざまな国を旅し、その文化に触れてきた現代女性のためのワードローブだ。インドの装飾性、中国や日本の色使い、ポリネシアの風景など、異国文化をエレガントに表現してきたアルマーニらしさが健在。パンツスタイルもドレスも、細くしなやかなシルエット。小さなヘッドアクセサリーがミニマルなスタイルにアクセントを加える。

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カラーパレットはグレーから淡いゴールド、ブラックからからレッドやピンク、ブルーへと移り変わってゆく。光沢のあるファブリック使い、ふんだんに施されたビーズやクリスタル刺繍が煌めき、さまざまな光を湛えた作品集。フィナーレをモデルとともに歩いたジョルジオ・アルマーニに、会場から大きな拍手が送られた。

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フィナーレを歩いたジョルジオ・アルマーニ。

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「煌めき」をテーマにしたショーでは、陰影のあるアイメイクも印象的だった。

ショーのメーキャップを手がけたのは、アルマーニのグローバルメイクアップアーティストの上田裕美。彼女がコレクションメイクについて語ってくれた。

「コレクションのムードボードで印象的だったのは、光沢が滑らかで美しさが際立つファブリックや、輝く色彩を巧みに生かした刺繍、そして装飾が連なって生み出されるドレスやスーツの見事な仕上がりでした。光は、アルマーニ ビューティーにおいても重要な要素のひとつ。メイクにおいても「光」というテーマを⽣かしたいと考えました」

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額まで引き上げたアイシャドウが印象的だったメーキャップ。

「光と影のコントラストを引き出すことをテーマにデザインしました。顔に⾃然に当たる光のバランスを計算し、ステージ上で異次元の世界を表現できるよう工夫しています。⽬元のメイクではアイシャドウを影のように額まで引き上げ、奥行きを⽣かしてドラマティックな印象に。そのすぐ横にマットな⽩のハイライトを入れることで光のコントラストを際⽴たせ、眉⽑をブリーチで消して、眉骨に光が集まるようにして幻想的な雰囲気を狙いました」

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バックステージでメイクする上田裕美。

「アルマーニというブランドは、洗練されたエレガンスとタイムレスな美を追求しながら、⾃然体の魅⼒を引き出すことを⼤切にしていると感じます。ミニマリズムの中に息づく細部へのこだわりや、素材の質感、光と影のバランスを巧みに操る美学は、ビューティの世界にも一貫して反映されています。アルマーニの美意識を表現する際、「肌そのものの美しさを際⽴たせること」、そしてメイクがその⼈の個性や魅⼒を引き出し、決して作り込みすぎないエフォートレス・シックなスタイルであることを⼤切にしています」

ジョルジオ・アルマーニは、ジョルジオ アルマーニ プリヴェのコレクションを発表する場としてコレクションの立ち上げを決めたときからパリと決めていたという。それは、ジョルジオ・アルマーニが、クチュールの歴史とその本場であるパリという街が昔から大好きだからということと同時に、世界にイタリアの職人技の素晴らしさを示すことも大きな目的だったという。

イタリア人としての誇りを持ちながら、ジョルジオ・アルマーニはこれからもパラッツォ アルマーニでクチュール作品を生み出していく。

text: Masae Takata (Paris Office)

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