新鮮なランジェリースタイルに注目!【2025年春夏トレンド解説|飯田珠緒編】
Fashion 2025.02.20
Q1. 2025年春夏を振り返り、全体的にどのようなコレクションでしたか?
Q2. 気になるトレンド(スタイル・アイテム・カラー・素材など)は何ですか?
Q3. 特に印象に残ったブランドはありますか?
Q4. 実際に取り入れてみたいスタイリング方法、または欲しいアイテムを教えてください。
Q5. 特に印象に残ったショー(会場セットや音楽、ムードなど)はありますか?
Tamao Iida
飯田珠緒
スタイリスト
@tamaoiida
A1. ベーシックなクワイエットラグジュアリーのようなムードにみんなが少し飽きてきたように感じました。これ!という強いトレンドよりもそれぞれのブランドの特徴を出すことに熱を注いでいた印象です。個人的にはマリー・アダム=リーナエルトなど、若手のデザイナーや新しいブランドも気になりました。
A2. 風を感じるようなふわっとした軽やかな素材や、バルーンやクリノリンのような大胆なシルエット、花柄などの少女のようなムードなど、気になるトレンドはたくさんありました。特に、クロエらしさ全開のレースのブルマやキャミソール、バレンシアガからも新鮮なランジェリーピースが出たりと、いまの時代のムードに合ったランジェリールックが魅力的でした。
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スポーツテイストも多かった今季。子ども時代を思わせるようなアイテムとトラディショナルなスタイルとのミックス、小物使いはさすがミュウミュウ。ロッタ・ヴォルコヴァの力量でしょうか。スイムウエアやプチバトーのTシャツなどを取り入れたキャッチーで可愛いコーディネートを見て、とにかくミュウミュウの人気の理由がわかった気がします。アライアも柔らかいカラーパレットでモダンに見せたスポーティスタイルが素敵でした。
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A3. やはり文句なしに好きだったのはプラダ。ワンピースの肩紐やシャツの裾がめくれていたり、シワのような形状になっているのは実際どうなっているのか気になります。タイツみたいなパンツもはきたいし、へんてこりんなサングラスも洒落ていました。
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また、前シーズンに引き続き、今季のカルヴェンも私の好きのツボにはまりました。ベーシックなようでモダンに仕上がっていて、ちょっと可愛らしさもあって。その塩梅がちょうどいい。ロエベのワイヤーが入った花柄のドレスはシルエットの発想がおもしろかったし、サンローランのムッシュスタイルは抜群にかっこいい、そしてボッテガ・ヴェネタのスカート+パンツのコーディネートやオールレザーのカジュアルなルック、ふさふさのヘッドドレスなど、いまの時代を感じさせるワクワクするものばかりでした。
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A4. セクシーではなくカジュアルにランジェリーを取り入れたいです。絶対に欲しいものはカルヴェンの白いキャミソールドレス。それから、ミュウミュウのハイソックスと足の甲だけではくソックスも気になっています。
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A5. ショー会場中央に設置された大きなテーブルが印象的だったバレンシアガや、さまざまなトランクが敷き詰められたランウェイに驚いたルイ・ヴィトン、大量のニュースペーパーが天井からぶら下がったミュウミュウのショーも記憶に残っています。そして、初めて参加したリック・オウエンスは純粋なファッションへの愛を感じる、まるで儀式のようなショー(笑)。ファッションショーのあるべき姿を見た気がします。
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*「フィガロジャポン」2025年2月号より抜粋
photography: Spotlight, amanaimages