サンローラン、2025年夏のキャンペーンは、芸術家のフランチェスコ・クレメンテに制作を依頼。
Fashion 2025.04.14
サンローランは2025年夏のキャンペーンに向け、著名な芸術家フランチェスコ・クレメンテに、シリーズから成るポートレート制作を依頼。

今回のポートレートのモデルとなったのは、俳優のゾーイ・クラヴィッツ、イザベラ・フェラーリ、モデルのペネロペ・テルネスとアジュス・サミュエルの4人。クレメンテは詩的な筆使いを駆使して、この4人の被写体が秘めた力強さと親密な女性らしさを象徴的に描き出した。
「私は1990年代にクレメンテの作品と出合いました。当時から、彼の詩的な色使いによって私のコレクションが描かれることを明確にイメージすることができていました」とアンソニー・ヴァカレロは語る。

1970年代以降、クレメンテの芸術は、多様な文化を横断する旅によって形作られてきた。80年代にニューヨークを拠点としてからは、精神的なものと物質的なもの、女性的なものと男性的なもの、といったアイデンティティの流動性を探求するような作品を多く生み出し、絵画が力強いメディアであることを再認識させる重要な役割を果たした。また、アンディ・ウォーホルや詩人のアレン・ギンズバーグ、映画監督のアルフォンソ・キュアロンなど、先見性のある芸術家とのコラボレーションを早い時代から行うことにより、活動の幅を広げていった。
「形を表現する言語はひとつだけであり、それは柔らかさを表す言語と同じなのです」ーフランチェスコ・クレメンテ
サンローランとクレメンテのコラボレーションは、分野を超えてビジョンを有する芸術家たちと関わっていくという、アンソニー・ヴァカレロの継続的な取り組みを反映。今回のキャンペーンは、ファッションとアートの対話に新たな深みをもたらし、つねに進化する両者の関係性をより強固にしていく。




text: Natsuko Kadokura