80年代のアイコンが再来。ママたちに愛された"シガレットジーンズ"が、この春カムバック!
Fashion 2025.04.26
かつてバギーにその座を奪われ、忘れられていたあのシルエットが、2025年春、ついに返り咲く。

これぞ"カムバック"
ファッション関係者が"カムバック"と呼ぶような現象。あまりに意外な復活には、英語の表現の方がしっくりくる。この春、その主役となったのが「シガレットジーンズ」。スリムとストレートの中間に位置するこのカットは、1980〜90年代を象徴するスタイル。脚をすっきり見せてくれるこのモデルは、今もなお、それをはきこなす勇気を持つすべての女性にエレガントなシルエットを約束してくれる。
特徴はハイウエスト、ふわっとした丸みのあるライン、足首の上で止まる丈感、そして何より抜群の履き心地。
ここまで戻ってくるとは――。そう思わずにはいられないこのジーンズ。パンデミックの影響で、ここ5年以上ファッション界ではワイドデニムが主流だった。バギー、ワイドレッグ、フレア......数々のブランドがこうしたシルエットを打ち出し、SNSで大流行。それが店頭に並び、セレブたちがこぞって取り入れ、ついには大都市のストリートにまで浸透していった。
ファッションアイコンたちのお気に入り
シガレットジーンズといえば、レディ・ダイアナ、ジェーン・バーキン、マドンナ――1980年代を中心に、名だたるファッションアイコンたちに愛された一本だ。
ダイアナ元妃はそれをバレエシューズやカウボーイブーツと組み合わせ、ブレザーあり・なし両方で着こなしていた。ルー・ドワイヨンの母であるジェーン・バーキンは、白Tシャツ一枚という潔さでその魅力を引き立てた。90年代のスーパーモデルたち、ケイト・モスやシンディ・クロフォードも、空港の行き来でこのジーンズを欠かさなかった。
"ママジーンズ"の再登場
流行は繰り返すもの。近年のファッションウィークでは、シガレットジーンズの姿が再び現れはじめた。
2025年3月、パリ・グランパレで行われたシャネルのショーでは、アメリカ人モデルでクリエイターのタイリン・グエンが、シガレットジーンズにツイードジャケットと黒のパンプスを合わせて登場。その姿は新しい"クラシック"の提案のようでもあった。ランウェイでも、バリーやブランドンマックスウェルがやや広めのラインでシガレットジーンズを再解釈。ディーゼルでは、ロックな雰囲気のグレーデニムとして登場するなど、ブランドごとのスタイルが光った。
ミラノ・デザインウィークで再びシガレットジーンズを着用したモデル、ガブリエル・コーヌシル。2024年のコペンハーゲン・ファッションウィークでは、モデルのガブリエル・コーヌシルがダークデニムのシガレットジーンズに白シャツ、シャネルのバレエシューズ、黒のエルメスのクラッチを合わせて登場。1年後の2025年、ミラノ・デザインウィークでは、同じくシガレットジーンズながら、より明るいトーンのデニムを選び、ベージュのオーバーサイズブレザー、クリームのパンプス、ホワイトのエルメス・バーキンを合わせた。彼女のスタイリングは、このジーンズが「何にでも合う」ことを見事に証明してみせた。
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From madameFIGARO.fr
text: Emma Martin (madame.lefigaro.fr)