歴史と未来が響き合う、HaaTの新ショップが京都に誕生。
Fashion 2025.11.27

風情ある街並みに自然と溶け込む外観。© ISSEY MIYAKE INC.
2000年、イッセイ ミヤケから誕生したHaaTは、テキスタイルから発想する独自のものづくりで知られるブランド。日本とインドの工場と協業しながら、クラフツマンシップを丁寧に落とし込んだ、手触りのあるアイテムを生み出してきた。そのHaaTが南青山店に続く2店舗目の地として選んだのが、伝統と革新の街・京都。2025年11月21日、趣ある建物が並ぶ姉小路通に新ショップがオープンした。

桜色と木材のコントラストが美しい。奥には借景の枯山水庭園も。© ISSEY MIYAKE INC.
舞台となったのは、明治初期に建てられた京町家。かつて砂糖問屋として使われていたという間口約12m、敷地面積約100㎡のゆとりある空間だ。デザインを手がけたのは吉岡徳仁。ショップのテーマカラーである桜色に染め上げたアルミニウムが静かな光沢を放ち、人工大理石の什器や薄ピンク色の壁とともに、やわらかなグラデーションを描き出す。時を重ねた梁とのコントラストや、格子窓と新設された天窓から差し込む自然光が、空間に奥行きと豊かな陰影を与えている。

環境に配慮した原料や製法を取り入れたものづくりが特徴。© ISSEY MIYAKE INC.
店内には、愛知・有松で雲絞り加工を施した立体的なシルエットが印象的な「KUMOSHIBORI」シリーズ、ブロックプリントやカビラなどインドの職人技が凝縮された「SPRINKLED KABIRA」シリーズなど、HaaTならではの手仕事が息づくコレクションが並ぶ。ミニマルな空間だからこそ、素材の表情や手仕事の温もりがより鮮やかに際立つよう。
なかでも注目したいのが、太番手の糸に細番手の糸を巻きつけ、味わいのある風合いに仕上げたドビー織のジャケット。桜色とグレーの2色展開で、京都店だけの限定アイテムだ。歴史と未来が響き合うこの空間で、HaaTの新たな一歩をぜひ体感して。
京都府京都市中京区姉小路通柳馬場東入菊屋町569
075-748-1153
営)11:00〜20:00
無休
text: Natsuko Konagaya





