青柳文子と巡る、エルメスの展覧会『彼女と。』

Fashion 2018.07.18

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いま東京・六本木の国立新美術館では、展覧会の枠を超えた全く新しい“映画体験”ができる。エルメスと国立新美術館による今回の展覧会『彼女と。』は、エルメスを体現するひとりの女性を追うというストーリー。映画の撮影に紛れ込んだかのようなセットやエキストラ気分を味わえる話題の展覧会を、モデル兼女優の青柳文子といち早く体感してきた。

本展の核となるのは、ある「作家」の記憶に残り続ける美しい「彼女」。物語は、スクリーンに映し出された「彼女」の追憶から始まる。

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「作家」の記憶に残る「彼女」のイメージが流れるオープニング。

ショートフィルムが終わり次の部屋に進むと、現れたのは小さな舞台セット。ここは、「作家」が「彼女」の友人に話を聞いていくという設定だ。映画の撮影さながらの空間で寸劇が行われ、友人たちの証言から「彼女」の人物像が徐々に浮かび上がっていく。

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舞台には撮影クルーの姿もあり、臨場感たっぷり。

「作家」役を演じるのは、なんと事前公募に申し込んできた一般のゲスト。「作家」役には事前に台本が送られてくるという。

この後も「彼女」の回想シーンを再現したステージなどが続く。

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友人たちが語った「彼女」のエピソードを、実際の空間を使って再現したステージ。

観客がグラスを手にして、エキストラとして乾杯シーンに参加するコーナーも。

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パリのルーフトップを模した空間で、乾杯のひとコマに参加するという粋な演出。

国立新美術館の広々とした展示室は、全部で7つのステージに分かれている。基本的にはガイド役に導かれて進むツアー形式をとっているが、各ステージの間にはメイク台や衣装ラックなども並び、自由に見て回る時間も設けられている。

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エルメスのオブジェが舞台セットとして並んでいる。

こうした大道具や小道具は、寸劇も含めすべて写真およびビデオ撮影が可能。展覧会を後にしてからも、この貴重な体験をSNSにアップしたり、家族や友人とシェアする楽しみが待っている。

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写真や動画を撮るのも楽しい本展。

そして最後は、ついに「作家」が「彼女」のアパルトマンまでたどり着く。

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石畳や庭の木々など、細かな部分までかなりリアル。「こんなおうちに住みたい……」とうっとり眺める青柳さん。

「作家」は結局、記憶の中の「彼女」に会えたのか。
アートや映画にも造詣が深いエルメスならではのシネマティックな試みに注目だ。

ひとつの映画を体験するかのような本展は予約制。ウェブ予約の際に「アクター(作家)」役か「エキストラ」役かを選んでエントリーする仕組み。所要時間は1回50分程度で、日によって15~20回ほどの枠がある。7/23(月)までは既に満席だが、これから予約したいという人にもまだチャンスが。7/25(水)〜30(月)までの入場枠については、7/18(水)の午前11時から受付開始となるので、ぜひトライしてみて。

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ラストステージのアパルトマンにて。おもむろに置かれたコートやストールに、まるで「彼女」が先ほどまでそこにいたかのような空気が漂う。

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『彼女と。』

期間:開催中~7月30日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)
営)10時~18時(月、水、木、日)、10時~21時(金、土)
休)火
要予約(7/18より、下記URLにて7/25以降の入場枠について予約受付開始)
入場無料
tel:0120-202-830
www.hermesavecelle.com
主催:エルメス、国立新美術館

★芥川賞作家の朝吹真理子氏が本展とは別にもうひとつの物語「彼女と」を書き下ろしている。物語が綴られた冊子をご希望の方はお近くのエルメスブティックへ。
青柳文子 Fumiko Aoyagi
1987年12月24日生まれ、大分県出身。「mini」や「SEDA」などの青文字系ファッション雑誌のモデルとして人気を博し、女優としても活躍。2016年の今泉力哉監督作『知らない、ふたり』では主演を務め、今年5月には世界4大映画祭のひとつであるモスクワ国際映画祭のメインコンペティション部門に正式出品された出演作『四月の永い夢』が公開された。

photos:MAYUKO EBINA

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