滝沢直己が考える、新しいコンセプトショップのかたち。

特集

さまざまなブランドのデザイナーやクリエイティブ・ディレクターの経験を経て、滝沢直己氏が辿り着いたのは、代官山にオープンしたコンセプトショップ「NAOKI TAKIZAWA FITTING ROOM」。ここでは、メンズのブレザーにフォーカスしたブランド「B TOKYO」と、レディス3型、メンズ2型のシャツをベースにした「NAOKI TAKIZAWA」を取り扱っている。

作り手と顧客が出会う、一期一会の空間づくり。

181211-naokitakizawa.jpg厳選した素材を用いた既製品とオーダーメイドのブレザージャケット¥103,680〜、オーダーメイドは¥129,600~/ともにB TOKYO(NAOKI TAKIZAWA FITTING ROOM)

自分のブランド「NAOKI TAKIZAWA」を休んでいた10年間、ユニクロをはじめとして、いろいろなブランドでデザイナーやディレクターの仕事をしてきました。そこで学んだことも生かし、いま僕がやりたいことがこのお店だったんです。

 

ファストファッション全盛期の昨今。服の流通の仕組みも複雑を極め、現在の成熟したファッションビジネスでは、作り手と顧客の距離はどんどんと開いていくばかり。その反動もあってか、世界的にオーダーメイドの服を求める人たちが増えている、と彼は話す。

昔から、日本の呉服屋のような商いの仕方は素晴らしいと思っていました。僕自身、お客さんと直接触れ合って、何を望んでいるのか知るのも楽しい。
それに、うちのブレザーやシャツの着こなしを見るのもワクワクしますね。同じ服でも、スタイリングで全然印象が違ってきますから。これは、コンセプトショップで扱うアイテムを絞った理由のひとつでもあります。

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軍服の素材を用いた、クラシカルなジャケット。

181214-naokitakizawa04.jpg小粒のビーズをすべて手作業で縫い付けたパッチは、富士山と龍がモチーフ。パーソナルオーダーは、サイジングのほかボタンや裏地もセレクトできる。

サンローランがメンズのスモーキングジャケットやトレンチコートを女性に着せたことをきっかけに、レディスにも広がったジャケットの文化。「B TOKYO」のブレザーは、メンズ仕様だが、サイズを小さくすることで女性たちにも人気を博し、あのイネス・ド・ラ・フレサンジュも愛用しているそう。

70年ほど前に海外の軍服に使われていた、尾州の毛織物メーカーのアーカイブに眠っていた素材を、このブレザーのために復刻してもらいました。太い糸を使い低速で織り上げた素材は、厚みがあり、ハリ感も特徴。特殊な素材なので、通常の高級ジャケットで250工程のところ、330の工程を経て、うちのジャケットは完成します。

その存在感抜群のブレザーを、かしこまりすぎずに着てほしいと話す。

いま、僕はブランドが前面に出るようなもの作りには興味がない。身に着けた人の個性が際立ち、快適であることが大切なんです。

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ベーシックなシャツを基盤に展開する、NAOKI TAKIZAWAの服。

181214-naokitakizawa05.jpgウィメンズ3型、メンズ2型のシャツの型をベースに、素材・縫製を変えてワンピースやミリタリーウエアまで進化させたシャツコレクション¥19,440〜¥70,200/NAOKI TAKIZAWA(NAOKI TAKIZAWA FITTING ROOM)

シャツは、服の中心だと思います。素材や着丈を変えれば、シャツドレスやコートにも変化する。
同じ型紙から広げ、デザインや縫製、技術の力を集約して完成度の高い服に落とし込む、この工程に必要な創意工夫は、僕がいままで積み重ねてきた知識や経験がものを言うと思うんです。

 

アイテムに特化した商品展開、こだわり抜いたものづくり、そして、作り手と顧客が直接コミュニケーションを取れる空間。これは、ビジネスをシンプルに削ぎ落し、小規模で展開しているからこそ可能になっている。

原点回帰をしたようで、実は最先端の方法で服を売っているなと。臨機応変に仕事をできることが、フットワークの軽いクリエイションにも繋がっています。今後も、アトリエメイドにこだわりながら、あまり未来のことを決めすぎず、自由に流されていきたいですね。

 

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1960年生まれ、東京都出身。桑沢デザイン研究所を卒業後、82年に三宅デザイン事務所入社。イッセイ ミヤケのクリエイティブ・ディレクターを経て、2006年に独立。11年、ユニクロのデザイン・ディレクターに就任。イネスやカリーヌ・ロワトフェルドのコラボラインを監修する。18年10月、佐藤可士和が空間プロデュースを務める自身初となるコンセプトショップ「NAOKI TAKIZAWA FITTING ROOM」をオープン。

NAOKI TAKIZAWA FITTING ROOM
東京都渋谷区猿楽町29-10 ヒルサイドテラスC-18
tel:03-6455-0318
営)11時~19時
休)水曜 
※12月30日(日)~1月4日(金)は休業。
naokitakizawaftr.com

texte : TOMOKO KAWAKAMI

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