ディオールが伝えた、いまも夢を見られるということ。

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ディオールはロックダウン後、初のオンラインによるオートクチュール コレクションのため、イタリア人映画監督マッテオ・ガローネに依頼し、幻想的な森の中の世界を描いたオリジナルのショートフィルムを製作した。

Dior Autumn-Winter 2020-2021 Haute Couture

妖精やファウヌス(古代ローマ神話の神)、貝殻の中から現れる女性、人魚、金星、ナルキッソスたち……すべてが魔法をかけられたように森の中で目覚める。オンラインでのオートクチュールの初日、ディオールはガローネ監督による『LE MYTHE DIOR』と題したショートフィルムを招待客に向けて公開した。

映画『ゴモラ』(2008年)や『Pinocchio』(原題)(19年)で知られるガローネ監督は、ディオールのアーティスティック ディレクター、マリア・グラツィア・キウリによる20-21 秋冬オートクチュール コレクションのために、光と陰、夢と現実の世界を描き、驚くべき演出を行った。

>>ディオールの20-21 秋冬オートクチュール コレクションの舞台裏映像を公開!

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制服を着たふたりのキャラクターが、モンテーニュ通り30番地にあるディオールのブティックをイメージした巨大なトランクを携え、森の中を進んでいく。

その中にはミニチュアのオートクチュールの服が入っており、アトリエの匠の技を目の当たりにした森の生き物たちは、見たこともない美しさに驚き、心を掴まれる。

このショートフィルムはギリシャ神話にインスパイアされたおとぎ話に収まらず、『テアトル・ドゥ・ラ・モード(le Theatre de la mode)』を彷彿とさせる。『テアトル・ドゥ・ラ・モード』とは1945年から46年にかけて、パリを皮切りに世界6カ国で開催された人形衣装展だ。戦後の物資不足で生地を使うことがままならない中、職人たちにより衣装から帽子、宝飾品にいたるまでが精緻に制作され、さらにその人形はジャン・コクトーら気鋭のアーティストが手がけた劇場風のセットに収められて、各地で喝采を浴びた。これは今日私たちが抱える健康不安の問題を考慮し、パリを再び輝かせようとしていると捉えるべきだろうか。

羽根のついたペプラムドレス、藤のようなブルーの羽根の刺繍が施されたボールガウン、金糸のマーブル模様が刺繍されたロングドレス、フリルやプリーツ、フリンジのついたカローラ(花冠)ラインのコートなど、豪華絢爛なオートクチュールピースの数々。マッテオ・ガローネ監督によって命を吹き込まれた、神話の中の生き物たちが荘厳なディオールの服を纏っているさまは、まるで再発見と希望を象徴するかのよう。この複雑な時代においても、夢見ることはいまも可能なのだ。

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texte : Marion Dupuis (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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