2020 - 21年秋冬 おしゃれ好きが考える、モードの未来予想図 太田莉菜がこの秋注目する、唯一無二なスタイルとは?
Fashion 2020.11.02
フィガロジャポンのボーテスターでもある太田莉菜が、2020-21年秋冬コレクションよりお気に入りのルックを選んでくれました。
インデペンデントな女性に贈る、唯一無二な服。
「ダイバーシティが尊ばれ、オンリーワンの個性がますます価値あるものとされるいま。私が実際に愛用している4ブランドから、今季欲しい唯一無二なルックを本気でピックアップ」
Ottolinger
女性デザイナーふたりの美学が光るオットリンガー。このルックは奇抜さと抜け感のバランスが絶妙! パンチが利いているけれど、意外と着やすく上品に見えるのがこのブランドの特徴。
このキャミソール風トップの下にTシャツやタートルネックニットを合わせて、その都度カジュアルやシックなど、七変化させながら着たい。さらにオットリンガーはパンツのシルエットがいつも美しくて、なじみがいいので好き。
燃やしたようなアートワークがシグネチャーのひとつとして知られるオットリンガー。燃えた服は普通ゴミとされるわけですが、それがどうしてこんなに美しくパーフェクトなバランスでデザインできるのか、と感嘆せずにいられない。
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Marques’ Almeida
ここ数年、急激にパープルに惹かれる。同素材のブーツとバッグですごく派手なルックだけれど、このボサッとしたヘアやナチュラルメイクがトータルのバランスをうまく整えていると思う。
この一着で潔く出かけたい。しかも、何でもないような所へ。特別感のある服を特別じゃない時もナチュラルに着ている人はかっこいい。重くなりすぎない素材と落ち着いた色みだからこそ、冒険してみたいと思わせてくれる。
マルケス アルメイダのダメージデニムは、大人のいい女にこそ着てほしい。オーバーサイズシルエットは難しく見えるけれど、パターンが美しければ問題なし。このブランドらしい元気の出る色使いや、潔さみたいなものも素敵。
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Lutz Huelle
パリ発のルッツヒュエルは毎シーズンすごいシャツを作ってくるけれど、今季も圧巻。デザイ
ン性の高いカシュクールシャツが、スパンコールインナーのギラギラ感を上品に仕上げている。
今季主力のセットアップは、スパンコールで個性を出したい。自分で工夫して長年にわたりいろいろな着方のできる服が好きなのですが、まさにこのインナーは、主役も脇役も張れる優れものだなと思う。
“カジュアルだけどドレッシー”を体現しているルック。上質な素材に美しいデザイン、一見クラシックにも思えるけれど、そこにショッキングピンクという遊び心が加わり、完璧なバランスを生み出している。
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Marni
今季のマルニはクラフト感や遊び心全開。なのに子どもっぽくなく楽しくまとまっている。ひと目見て「買い!」と惚れ込んだニットは、ステッチや刺繍に目がない私にとって理想の一着。
異素材ミックスの服は、上質な生地や高い縫製技術があるからこそ成立するもの。もはやアートピースの域にあるこのドレスは、着こなしのハードルが高い分、挑戦しがいがある。
さすがにルックどおりのヘアメイクはできないけれど、濡れた髪にゴールドのグリッターという組み合わせも、服と同じく異素材の質感を楽しんでいるよう。色のバランスも参考になる。
太田莉菜
1988年、千葉県生まれ。2001年に雑誌「ニコラ」のモデルオーディションでグランプリを獲得後、数多くのファッション誌やCMで活躍。現在は女優として映画やTVドラマにも出演している。
*「フィガロジャポン」2020年9月号より抜粋