ファッション新時代のニューワード辞典/ 2021年春夏 21年春夏ショーで見つけた、いまどきファッション用語集。
Fashion 2021.04.02
もはやファッションショーはオンラインやインスタグラムでリアルタイムでチェック!というのが新常識になりつつあるいま、「フィジタル」「アバター」「Zoom」などの言葉がファッション業界にあふれています。
もはや知らないと恥ずかしい!? コレクション関連の新ファッション用語をピックアップ。
Physital
[ フィジタル ]
最先端のショーでは、フィジカル×デジタルが融合。
2021年春夏コレクションでは制限が多いなか、仮想現実やデジタル技術を駆使してコレクション発表に臨むブランドが注目を集めた。その代表格であるルイ・ヴィトンは、ソーシャルディスタンスを取った座席の間に360度カメラを設置し、パリに来られないゲストも遠隔操作で自由にアングルを変えながら臨場感を味わえる仕掛けに。また、他ブランドでは生身の人間顔負けのアバターやヴァーチャルモデルが台頭。来シーズンはバレンシアガがVRを使った3D空間で観る者を圧倒するなど、フィジタルの流れはますます加速しそう。
Louis Vuitton
シートナンバーを割り当てた棒状のカメラが、パリ不在のゲストの目となって活躍。©Louis Vuitton
会場は改装中の老舗デパート、サマリテーヌの最上階。©Louis Vuitton
男か女かという枠組みに囚われない「ノンバイナリー」がテーマ。キーカラーは性別の流動性を体現するカメレオングリーン。©Louis Vuitton
先頭はティック トック界のスター、エミリー・ミラー。©Louis Vuitton
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Avatar
[ アバター ]
ミラノの新鋭ブランド、ジーシーディーエスの舞台は、ある惑星のヴァーチャルランウェイ。フロントロウにはジジの弟アンワル・ハディッドやキアラ・フェラーニのアバターが鎮座し、多種多様なモデル群にはひとつ目のエイリアンまで登場。 リアルと仮想現実を大胆にミックスした。
GCDS
ランウェイを追うゲストの目の動きや細かな仕種も忠実に再現。Courtesy of GCDS
徐々に沈 む美しい夕日やモデ ルのキャットウォークはリアルそのもの。Courtesy of GCDS
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Marionette
[ マリオネット ]
ひときわ話題を呼んだのがモスキーノ。マペット(人形)劇の「セサミ・ストリート」で知られる故ジム・ヘンソンの制作スタジオとコラボし、今季のルックを精巧なマリオネットに着せ付けて披露した。アナ・ウィンターやエドワード・エニンフルなど、モード界の大物たちをも完璧に再現したミニチュアの世界にうっとり。
Moschino
ミニチュアになっても威厳大のアナ・ウィンター。
ファンシーな装いでおなじみのアンナ・デッロ・ルッソ。
クリエイティブディレクターのジェレミー・スコットが、とある町の人形劇で自分そっくりのマリオネ ットに出くわすというストーリー。
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NEWMAN
[ ニューマン ]
東コレ(楽天ファッション・ウィーク東京)では、メインビジュアルにヴァーチャルモデルを起用。ピンクヘアが目印のプラスティックボーイと新人種“ニューマン”を名乗る黒髪の3D美少女リアが、サルバムやフミトガンリュウといった東京ブランドの新作を纏って登場。
プラスティックボーイは、インスタフォロワー33万を誇る日本初のヴァーチャルモデル、イマの弟。© Japan Fashion Week Organization
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Zoom
[ ズーム ]
ミュウミュウは本来フロントロウに座っているであろうゲ ストたちとズームで繋がり、オンラインで無観客ショーを配信。ランウェイデビューを果たしたケイト・モスの娘、ライラ・グレースを食い入るように見つめるゲストの姿も。
Miu Miu
スポーティなルックに合わせた楕円形のスタジアムが舞台。
パイル地のカーディガンをさらりと羽織って。
スイムウエア風のミニドレス。
Balmain
実際の観客も座るリア ルショーのフロントロウに、ズーム風スクリーンを置いたバルマン。
*「フィガロジャポン」2021年3月号より抜粋