輝きのハイジュエリー。メゾンのレガシーを継承し、未来へと 自然の美しさと驚異。ショーメは海の世界をジュエリーに。

Jewelry 2022.08.24

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波を背景にハイジュエリーコレクション『オンドゥ ゼ メルヴェイユ ドゥ ショーメ』が発表された。photo:Mariko Omura

1780年創業のハイジュエリーメゾンであり、自然主義ジュエラーのショーメ。9月4日までパリのボ・ザールで植物にフォーカスした『ヴェジェタル』展を開催しているが、7月に発表された新しいハイジュエリーコレクションは自然界から海と水がテーマである。創業以来240年の間には波、滝、水滴をモチーフにしたティアラ、ブローチ、ストマッカー、髪飾りなどがクリエイトされているけれど、今回は「Ondes et Merveilles de Chaumet(オンドゥ ゼ メルヴェイユ ドゥ ショーメ)」と題して、複数のテーマで海を表現した67点のジュエリーで構成されたコレクションである。

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1900年頃のジョゼフ・ショーメによる水がイルカにふりかかる噴水の光景を描いたティアラを始め、メゾンのアーカイブに残る水や海にまつわるジュエリーのデザイン画が会場に展示された。photo:Mariko Omura

優美に、ダイナミックに、ポエティックに……テーマごとに創造のインスピレーション源の美しさと驚きを表すのにふさわしい色や石が選ばれている。水面に静かに立つさざ波「ア フルール ドー(水の花)」は、波の動きを感じさせる横連なりのダイヤモンド、寒流と暖流が交差する「ガルフストリーム(湾流)」ではサファイア、エメラルド、オパールをドラマチックに用いている。「エスカル(寄港)」では沖とは異なる海の色をカラーストーンで。「シャン ドゥ シレンヌ(人魚の歌)」は大粒の黒真珠が神秘の輝きを呈している。「コメット デ メール(海の彗星)」のテーマではカラフルな石と天然パールがポエティックに組み合わされ、また「ガレ ドール(金の砕石片)」では職人仕事による金細工が美しい。「シャス オウ トレゾー(宝探し)」は海底に眠る宝石がイメージで幻想的に表現され、そして「ス ル ソレイユ(太陽の下)」というテーマはビーチで過ごす時間をイメージし、華やかで開放的なデザインだ。

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ショーメが1907年からメゾンを構えるヴァンドーム広場12番地の建物は、ショパンが1849年に亡くなった館として知られているが、18世紀、この地に個人邸宅を建築させたのは、ルイ16世統治下で海軍財政長官だったクロード・ボダール・ドゥ・サン・ジェームス男爵。歴史的建造物指定されている館内のサロンには、ローズ・デ・ヴァン(風配図)が床を飾り、天井と壁の境の刳り型には舳先、マスト、帆、錨、カニといった装飾が当時のまま保存されている。115年前からメゾンに身近な存在である海をテーマにした「オンドゥ ゼ メルヴェイユ ドゥ ショーメ」は、現代の女性たちを揺らめく輝きで装うコレクションだ。

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左: テーマ「ア フルール ドー」のネックレス。無数のダイヤモンドが揺らめく波紋。トランスフォームして2つのヘア・オーナメントとしても使える。大きな雫は7.18カラットのポワールカット・ダイヤモンドだ。 右:  テーマ「ガルフストリーム」のサファイアとエメラルドのネックレス。寒流と暖流の間には、マダガスカル産の25カラットのクッションカットのエメラルド。photo:Mariko Omura

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左: テーマ「エスカル」のネックレス。中央はクッションカットのレッドスピネル10.08カラット。 右: テーマ「シャン ドゥ シレンヌ」のネックレス。グリーントルマリン、パライバ・トルマリンがタヒチ産の緑色の真珠と絡み合い、神秘を奏でる。

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左:  テーマ「ガレ ドール」。中央に3石合計で25.12カラットのモルガナイトを配した指輪。その周囲のゴールドにはヘアライン加工が施されている。photo:Mariko Omura 右: テーマ「コメット デ メール」。ダイヤモンド、マルチカラーのサファイア、パールの組み合わせに星が揺れるネックレス。

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左: テーマ「シャス オウ トレゾー」から。グリーンのクリソプレーズにツァヴォライト・ガーネット、マンダリン・ガーネット、サファイア、エメラルドがチャーミングに輝くブローチ。 右: 発表会場における「太陽の下で」。ビーチパラソルをイメージした展示台にて、複数のアイテムが紹介された。フルーツカクテルを連想させるフランボワーズ・レッドのルベライトなど、カラフルな石とゴールドで、夏を享受する喜びをジュエリーに。photo:Mariko Omura

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さて、発表会場の最後は、複数の舷窓が並ぶ小部屋。丸い窓の中に展示されたのは「アンクル」だ。錨をテーマにしたユニセックスのブローチと時計である。それぞれの作品ごとに込められたメッセージが、ブローチの中にちりばめられたジュエリー。広い空、青い海といった景色を宝石とエナメルで描くという技術的に高度な遊びはショーメならではだろう。 

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左: 発表会場では舷窓の中にブローチを展示。photo:Mariko OMURA 右: ひとつひとつに物語のある「アンクル」。ブローチの中にはチェーンを通せるリングが入っているのでペンダントとしても楽しめる。

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帆船、灯台、カモメ、海に流したメッセージ入りボトル……こうしたモチーフをダイヤモンド、サファイア、イエローサファイア、白蝶貝、エナメルが描くブローチ。

editing: Mariko Omura

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