カルティエ:ヴァンドーム広場に煌めくハイジュエリーの新作(1)
Jewelry 2023.03.03
1月末、オートクチュール・ファッション・ウィークが開催されたパリで、ヴァンドーム広場のハイジュエラーたちも新作を発表。ここに紹介するショーメ 、ルイ・ヴィトン、カルティエは継続するテーマにおいて、各メゾンが創業以来守り続けている芸術性と豊かなサヴォワールフェールの組み合わせによるクリエイションの輝きを披露した。
ボーテ デュ モンド第3章。
世界の美しさに驚きの視線を向け続けているカルティエ。それを守り、より豊かにすることに情熱を注ぐメゾンとして、コレクション「ボーテ デュ モンド」には美の多様性への敬意が込められている。1月25日、リッツ・パリでその第3章が発表された。会場に展示されたハイジュエリーのインスピレーション源となった世界の美の幅はとても広い。 パンテール、トゥッティ フルッティといったメゾンでおなじみのテーマのジュエリーも含む第3章から、キーピースを3点紹介しよう。
闘魚にインスパイアされた、という驚きを秘めているのは「スプレンデンス」ネックレスだ。優美になびくヒレの美しさがスピネルのビーズで抽象的に描かれている。無数の小さなビーズを留める小さな鋲に密かにかぶされたキャップが、光に当たるとまるで魚の鱗のようにきらきらと幻想的な輝きを生み出す。
闘魚にインスパイアされた「スプレンデンス」ネックレス。オーバルとペアシェイプの合計27.79カラットのスピネルが9個セットされ、無数のスピネルのビーズと赤いシンフォニーを奏でる。© Cartier
Maxime Govet © Cartier
カルティエの創造性を刺激し続ける自然界。ペアシェイプの5つのザンビア産エメラルドからインスピレーションを得て誕生した「カマイユ」ネックレスは、鳥の生命を感じさせる羽で首周りを飾る。エメラルドが爪を使わずに、まるでダイヤモンドの羽の上に置かれているようで、わずかに加えられたオニキスの黒いラインが躍動感を醸し出している。
驚くほどの美しさが際立つ、合計42.44カラットのザンビア産の5つのエメラルドから物語が生まれた「カマイユ」ネックレス。© Cartier
Maxime Govet © Cartier
伝統の美しさもまた世界の美に含まれる。日本文化にオマージュを捧げるのは、日の出モチーフがあしらわれた帯にインスパイアされた「オビ」ネックレスだ。12.53カラットもあるザンビア産を含むカボションカットのエメラルドが並ぶ。その緑色、その透明感がたたえる深い魅惑に目が吸い寄せられる。放射状に広がるモチーフのダイヤモンドの連なりは、帯に施された銀糸の刺繍のよう。ここでもオニキスの黒がアールデコ・タッチをプラスし、カルティエというメゾンの伝統もさりげなく取り込み、リスペクトを捧げている。
カボションカットエメラルドのグリーン、スピネルの赤、オニキスの黒。カルティエを象徴するカラーコンビネーションが輝く「オビ」ネックレス。© Cartier
Maxime Govet © Cartier
editing: Mariko Omura