スポーツとハイジュエリーが出合う、シャネルの挑戦。

Jewelry 2024.07.08

シャネルの創始者、ガブリエル・シャネルはそのクリエイションにおいて、身体の自由を追求し続けた。彼女が生み出したファッションは当初よりスポーティな魅力を備えており、1921年にはオートクチュールのメゾンに"スポーツ"部門のアトリエを設置。時を経て2024年、シャネルは新たなハイジュエリーコレクション、オートジュワイアリースポールを発表した。このコレクションは、厳選されたジェムストーンを用いながらメゾンの技術に裏打ちされた美意識に貫かれており、エレガンスとパフォーマンスを融合したスタイルを確立。「私はシャネルのスポーティなスタイルにインスパイアされ、このハイジュエリーコレクションを制作しました。それは美しいラインと自由な動きを追求し続けてきたメゾンの歴史において欠かすことのできない要素です」と話すのはシャネルジュエリークリエイションスタジオディレクターのパトリス・ルゲローだ。これまで静のイメージが強かったジュエリーに、生き生きとした動きを表現した画期的なコレクションといえるだろう。

10.15カラットのクッションカットサファイアとダイヤモンドが煌めきを放つ、グラフィックラインネックレス。裏側も表側と同じように美しく仕上げることで、肌へフィットしやすくなる。裏側にはハイジュエリーでは初めてとなるメゾンの名前が記されている。グラフィックラインネックレス（WG×PT×ダイヤモンド×サファイア×ルビー×オニキス）￥1,263,240,000（参考価格）/シャネル

デザインの特徴は、スポーツウエアのごとくジュエリーが身体に寄り添って動くように描かれた、なめらかで洗練されたラインだ。リズムやスピードを連想させるシェブロン（山型）のモチーフは先端に行くほど細くすっきりとスムーズな輪郭となっている。またジュエリーにあしらわれたモチーフやグラフィックデザインには、ガブリエル・シャネルのシンボルをスポーティにアレンジ。たとえばタイポグラフィにはガブリエルがお気に入りだった数字の「5」を、紋章にはライオンを、そして勝利のシンボルとして星のモチーフなどが取り入れられている。今回ハイジュエリーのクリエイションに初めて登場した「CHANEL」の文字は、オープンワークで仕上げられており、パーツに分けて軽やかな着け心地と自由な動きが楽しめる。

ライオンの紋章をかたどったブローチ。ライオンモチーフはチェーンにセットしてネックレスとしても着用可能。シャネルプリントリオンブローチ（WG×ダイヤモンド×レッドラッカー×ブラックラッカー）￥17,380,000（参考価格）/シャネル

星型や数字の「5」は、ガブリエル・シャネルのお気に入りのモチーフ。ネックレスを飾るふたつのチャームはイヤリングのフープへの取り付けが可能。スポーティ5 ネックレス（WG×ダイヤモンド）￥394,790,000（参考価格）/シャネル

オートジュワイアリースポールに使われているジェムストーンは、シャネル史上最も美しいとされるアンサンブルで、鮮やかで力強い色彩を放つ。なかでも数年にわたる研究によって集められたカシミールサファイア5石のセットはそれ自体が至極の逸品だ。またプレシャスな素材とハイテク素材の組み合わせもこのコレクションならではの特徴。軽量で耐久性に優れたアルミニウム、低密度と高い耐久性を両立させたカーボンファイバーなど、新素材を取り入れることで、動きやすさがアップ。大胆で自由な想像力と卓越した技術、極上のジェムストーンが融合したこのコレクションは、ジュエリーの世界に新しい地平を開いた。