ミキモトの新作ハイジュエリーはメゾン伝統のモチーフ、リボンがテーマ。
Jewelry 2024.07.09
オリンピックの準備が進むパリで、例年より早い6月末に開催されたオートクチュールとハイジュエリー週間。ヴァンドーム広場にブティックを構えるミキモトも、パリで新作ジュエリーのお披露目を行った。ミキモトがインスピレーションを求めたのは、古くは大正時代の真珠のカタログにも登場しているというメゾン伝統のリボンモチーフ。メゾンのアーカイブを振り返り、さまざまなスタイルでリボンの造形を追求した。
アコヤ真珠とダイヤモンドをレースのように編み込み、結び目にトルマリンをあしらったネックレス。
胸元に結んだタイのような蝶結び、プレゼントパッケージを思わせる幾重にもループの連なるリボン飾り、ネックレスに絡みあう細いリボン、グラフィックにデザインされたボウタイ。「The Bows(ザ ボウズ)」と題されたコレクションは、リボンが描くさまざまな造形を愛らしいジュエリーに仕立てあげたもの。
アーカイブからインスパイアされたネックレス。レースのようなダイヤモンドのリボンのふっくらした造形を、深いブルーのタンザナイトが引き締める。リボンの先にサファイアが揺れる。リボンモチーフは外してブローチにも。
アンティークレースの襟を思わせる繊細なネックレスは、ダイヤモンドとアコヤ真珠を編み込んだもの。
ミキモト特有の真珠の編み込みのサヴォワールフェールから生まれたネックレスは、布地のようになめらかな表情で、まるで本当に手結びされたかのようにふっくらと立体的な輪を作る。真珠とダイヤモンドが奏でる清楚な白い輝きに大粒のカラーストーンを一粒だけあしらったピースは、ハイジュエリーならではの贅沢さを讃えている。
たくさんのリボン飾りと淡いカラーストーンに彩られたスイートなネックレスは、ロココの衣装からのインスパイア。サファイアとダイヤモンドで飾ったリボンに大粒の白蝶真珠が揺れるピアスと。
圧巻は、18世紀ロココ時代のドレスからインスパイアされたネックレス。ダイヤモンドがちりばめられたいくつものリボンモチーフに加えてモーガナイト、トルマリン、スピネル、アクアマリンなどの淡い色合いのカラーストーンがふんだんにあしらわれた装飾的なピースは、マリー=アントワネットの時代の舞踏会を彷彿させる。
リボンのモチーフとフォルムにフォーカスし、クチュールの世界を彷彿させる優美な作品集となった。
text: Masae Takata(Paris Office)