ブシュロンのハイジュエリーが表現する、ダイナミックな水の世界。

Jewelry 2024.07.30

氷河、波、滝······ミネラルな大地で、さまざまな姿を見せる水。アイスランドの水の景色がインスパイアする、美しく革新的なブシュロンのハイジュエリー。

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©︎photography by Jan Erik Waider

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ネックレス「アイスバーグ」(WG×ダイヤモンド×ロッククリスタル)¥138,600,000(予定価格)/ブシュロン(ブシュロン クライアントサービス)

涼感を醸す、氷河のかけらのネックレス。

[ Iceberg_氷のかけら ]
黒い砂浜に氷が輝く幻想的な光景から着想を得て制作された。ロッククリスタルにサンドブラスト加工でツヤ消しを施し、砂浜に打ち上げられた氷の質感を見事に表現した。メタルを目立たなくするために、ダイヤモンドを直接クリスタルにはめ込んだ。

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©︎photography by Jan Erik Waider

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ブレスレット「シエル ドゥ グラース」(WG×ダイヤモンド×ブルーサファイア×ロッククリスタル)¥51,744,000(予定価格)/ブシュロン(ブシュロンク ライアントサービス)

ブレスレットに閉じ込めた、氷の洞窟。

[ Ciel de Glace_氷洞 ]
透明なロッククリスタルの裏側を彫刻し、長い年月の風化による氷の洞窟を再現。細かな星が輝くミルキーウェイのような光景を、ダイヤモンドとブルーサファイアの繊細なグラデーションで描いた。透明感を損なわないインビジブルクラスプを採用。

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©︎photography by Jan Erik Waider

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ネックレス「クリストー」(WG×ダイヤモンド×アクアマリン×ロッククリスタル)¥443,520,000(予定価格)/ブシュロン(ブシュロン クライアントサービス)

ネックレスを見つめる先に、氷の結晶が現れる。

[ Cristaux_氷塊 ]
アイスランドの氷河とそのブルーに魅せられて制作された、瑞々しい透明感のあるアクアマリンが主役のネックレス。各石の周囲にツヤ消しのロッククリスタルをあしらい、ダイヤモンドで囲んだ贅沢な逸品。中央のダイヤモンドは指輪にもなる。

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©︎photography by Jan Erik Waider

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イヤリング「ヴァーグ」(WG×ダイヤモンド)¥89,100,000(予定価格)/ブシュロン(ブシュロン クライアントサービス)

波のイヤリングで、北斎のティアラにオマージュ。

[ Vague_波 ]
海の荒々しい波のフォルムをイメージし、北斎の作品にオマージュを捧げた1910年のアーカイブのティアラからもインスパイアされた。伝統的なハイジュエリーのサヴォワールフェールを駆使してストラクチャーを感じさせない繊細なピースに仕上げた。

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美と革新の追求が生む、唯一無二のハイジュエリー。

年に2回、パリ、ヴァンドーム広場の本店でハイジュエリーの新作を発表するブシュロン。1月はメゾンの歴史にインスパイアされたヒストリー オブ スタイル、夏のヴァカンス前にはカルト ブランシュをお披露目するのが恒例になっている。

カルト ブランシュは、クリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌが自由なイマジネーションをジュエリーの形に昇華するコレクション。毎回、既成概念を軽やかに超越し、クレールの夢を形にするための新たなテクノロジーの導入や、通常ハイジュエリーに用いられることのない新素材が採用されたクリエイションが登場するのも見どころ。ハイジュエリーの新しい表現と可能性を見せてくれる。今年は「Or Bleu(オル ブルー)」と題して水をテーマにした26ピースを展開した。

「何に光を当てたいか、貴重なものとは何か?という問いかけから出発します。水をテーマに選んだのは、それが人類にとって欠かせない、このうえなく貴重なものだから。そして、色もなく、抽象的な水を物質化するのはおもしろいと思ったからです。アイスランドの水から着想を得て、水の色、質感、流れ、水の反射、透明感など、ありのままの自然の美しさを表現しました」とクレールは語る。

2022年4月初めに訪れたアイスランドで彼女が発見したのは、植生のない黒とグレーの大地に透明な氷や白い波が描くモノクロームのコントラストだった。彼女はロッククリスタル、ダイヤモンドやホワイトゴールドを駆使して、手つかずの自然の中で水が描き出す表情をジュエリーに映し出した。ドイツ人写真家ヤン・エリック・ワイダーが各ピースのインスピレーション源となった風景を再訪して撮影した写真も、新作発表会の場にジュエリーと並んで展示された。

「壮大な風景の中に真っ白な軌跡を描く滝の姿はネックレスそのもの」――彼女が最初にクリエイトしたのは、1800石を超えるダイヤモンドで糸のように流れ落ちる滝の煌めきを表現した「カスケード」だった。黒い砂浜に打ち上げられた氷のかけらを表現した「アイスバーグ」では、その質感を表現するためにあえてロッククリスタルにツヤ消しを施し、裏側にダイヤモンドを埋め込んだ。巨大な氷の洞窟のミルキーウェイを思わせる光景に想を得た「シエル ドゥ グラース」のブレスレットでは、ロッククリスタルをダイヤモンドとブルーサファイアの繊細なグラデーションが彩る。

氷と水の世界の透明感を描き出すために、ハイジュエリーの伝統的なサヴォワールフェールを最大限に駆使して、石をセットするメタル、繋ぎ目、留め金などのストラクチャーを見えなくし、氷や水しぶきなどの躍動する水の一瞬の姿を捉えて、革新的な作品に仕上げている。その幻想的な造形は、クレールがアイスランドで得た感動をそのままに伝えている。

技術的に最も難しかったのは「オンド」。

「水に起こる波紋をごく薄いロッククリスタルで表現しました。透明感が大事なので、メタルの構造を目立たなくすること。そしてロッククリスタルの波紋とその下にセットしたダイヤモンドの見え方のバランスのために何度も試作を繰り返しました」

まったく新しい技術も登場した。それは「サブル ノワール」。漆黒の砂の表情を生かすために開発した方法は、実物の砂を3Dプリンターで造形すること。すべての光を吸い込んでしまうマットな黒い砂に打ち寄せる波の白い泡は、煌めくダイヤモンドのパヴェ。「これは私の最もクレイジーな夢が叶った結果」とクレールは微笑んだ。

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リング「オンド」(WG×ダイヤモンド×ロッククリスタル)右¥14,784,000、左¥22,176,000(ともに予定価格)/ともにブシュロン(ブシュロン クライアントサービス)上奥右©︎photography by Jan Erik Waider

[ Ondes_波紋 ]水面の波紋の動きを3Dソフトで分析し、ロッククリスタルで波紋を造形。ロッククリスタルは極限まで薄く彫刻され、繊細なメタル構造で不可視化を追求、シームレスで透明感あふれるピースが実現した。表側にセットされた1粒のダイヤモンドが起こすロッククリスタルの波紋。その裏側には4542石のラウンドカットのダイヤモンドがセッティングされている。このダイヤモンドの輝きとロッククリスタルの波紋のバランスにも試作が繰り返された。


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ショルダージュエリー「オー ヴィーヴ」(アルミニウム×パラジウム×マグネット×ダイヤモンド)¥42,504,000(予定価格)/ブシュロン(ブシュロン クライアントサービス) 上右©︎photography by Jan Erik Waider

[ Eau Vive_奔流 ]水しぶきを上げながらダイナミックに流れる水の動きを表現した一対のショルダージュエリー。3Dソフトを使って水の動きをシミュレートし、1枚のアルミニウム板から彫刻されている。軽量化のために、ゴールドよりも軽量のアルミニウムを使用し、パラジウム浴(電気化学浴)で表面にメタリックな輝きを与えた。500石以上のダイヤモンドをアルミニウムに直接セッティング。翼のように左右対称に身に着けるため、マグネットで衣服を挟むように装着する。


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左手のブレスレット「サブル ノワール」(WG×ダイヤモンド×ブラックサンド×ブラックPVD)¥66,660,000(予定価格)/ブシュロン(ブシュロン クライアントサービス)上奥左©︎photography by Jan Erik Waider

[ Sable Noir_黒い砂 ]アイスランドの海辺を覆っているのは、黒い砂。この砂をそのまま素材にするという新しい試みから生まれたのはネックレス、ペンダント・イヤリング、ブレスレットのパリュール。3Dプリントの技術を利用し、黒い砂にコーティングを重ねて砂の粒子を固める技術は、これまで自動車や航空産業で使われてきたものだ。極限までメタルの使用を抑え、砂から掘り出されてきたかのような素材感を実現した。

問い合わせ先:
ブシュロン クライアントサービス
0120-230-441(フリーダイヤル)
https://www.boucheron.com/

text: Masae Takata(Paris Office) photography: ©Boucheron

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