ルーツへの回帰、ポメラートのハイジュエリー「コレツィオーネ1967」

Jewelry 2025.07.26

1967年、ピノ・ラボリーニがミラノに創業したジュエリーブランドのポメラート。時代の機運をいち早く掴んだ彼は、このブランドで当時の女性たちの心を引きつける自由な精神にインスパイアされたファインジュエリーを提案した。ハイジュエリーはコレクション形式でハイジュエリーの創作を始めたのは2020年と、比較的最近のことである。この初夏に新しいコレクション「コレツィオーネ1967」が発表された。コレクション名に創業年が込められているのは、ブランドのアイデンティティーを確立することになった創業から70年代以降の重要な30年間のエッセンスを凝縮した75点のクリエイションゆえだ。クリエイティブディレクターのヴィンチェンツォ・カスタルドが伝統の中で受け継がれている象徴的なコードを現代的視線で解釈した、ルーツへの回帰とも言えるコレクション。1970年代、80年代、90年代という3つのチャプターで構成されている。

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「コレッツィオーネ1967」のキャンペーンビジュアルから。モデルの後ろはブランド名「ポメラート」が意味する"まだらのうま"。

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新作が発表されたパリのショールームに飾られた1970〜90年代のパワフルなビジュアル。ポメラートの歴史を物語る。photography: Mariko Omura

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1970年代 チェーン革命。

機能的なチェーンをゴールドのジュエリーに昇華させてポメラートが芸術的ステートメントを打ち上げたのは、社会的変化に向かうエネルギー、反抗精神でミラノが躍動していた70年代のことだ。さまざまなフォルムのチェーンはシームレスの継ぎ目によってデザインに溶け込み、まるでセカンドスキンのよう。このチャプターでは解放のシンボルのジュエリーという創業者のビジョンを表現したハイジュエリーを見ることができる。

メゾンの誇る技術と創造性が輝く20点。チェーンのタイプもさまざまだが、どれもダイヤモンドのパヴェセッティングが、とても際立っている。サイドまでもセッティングが施され、どの角度から見ても美しいジュエリー。組み合わせられているのはアクアマリン、グリーントルマリン、イエローダイヤモンドなどの優しい色石だ。ジュエリー部分がブレスレットとしても使えるベルトという変化球も混じり、チェーンの芸術性が輝くチャプターだ。

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ブレスレット「The Art of Chains(ザ アート オブ チェーン)」。70年代のポメラートのチェーンの仕事がハイジュエリーに見事に昇華された、ホワイトゴールドとローズゴールドの4連ブレスレット。ダイヤモンドのパヴェセッティングがモダンな留め具と2連のチェーンに施されている。

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ネックレス「Yellow Diamond Moon(イエロー ダイヤモンド ムーン)」。ポメラートでシンボリックなチェーンとなっているグルメチェーンを小さくフラットにしたバージョンと、力強さと官能を備えたラウンドリンクチェーンの2種が融合され、ダイヤモンドのパヴェセティングが施されている。中央に12ctのファンシーライトイエローダイヤモンドを配して、月光を表現。

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ネックレスとイヤリングは「Blue Chain Cascade(ブルー チェーン カスケード)」。ネックレスはミニマルなラウンドリンクの内側のチェーンが、外側のオーバルリンクのチェーンに包み込まれるという革新的なデュアルチェーン構造。希少な22.23ctのサファイアの周囲をパヴェセットのダイヤモンドが包み、凍った滝を思わせるデザインだ。ポメラートの卓越した技術により、イヤリングともども流れ落ちる動きを感じさせる。

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ネックレス「Aquamarine Dream(アクアマリン ドリーム)」。ポメラートのシグネチャーチェーンの1種、フォルサチェーンのボリューム感を21世紀に再解釈。後方のチェーンの環は小さく、前に向かって徐々に大きく。センターピースは37.98ctのカボションカットのアクアマリン。ファセットカットのペンダントドロップは、15.95ct。石の周囲とチェーンリンクにはホワイトダイヤモンドがパヴェセッティングされ、とてもエレガントなネックレスだ。

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ベルト「Precious Spring Ring(プレシャス スプリング リング)」。ブレスレットにもネックレスにもと汎用性があるベルトで、スプリングリングの留め具という機能的要素に装飾性を持たせて主役にしているデザイン。ローズゴールドに施されたダイヤモンドのイレギュラーなセッティングが輝きをより強めている。

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1980年代 デザインのルール違反者。

大胆な実験とリミット無しの創造性がデザイン界、モード界を騒がせた1980年代。ポメラートはフォルムとボリュームにポイントを置き、建築的アプローチでジュエリーのデザインに取り組んだのだ。1970年代にブランドのDNA的存在となったチェーンもジグザグなシェイプにと、既成概念から逸脱。このチャプターのハイジュエリーも遊び心あふれる18点である。

センターストーンをあえてずらして配置していたり、石のサイズや向きも不均一といった立体感のあるネックレスをはじめ、アシメトリーな遊びがちりばめられたチャプターだ。

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ネックレス「Zigzag Supreme(ジグザク シュプリーム)」。メゾンの歴史的アーカイブのデザインを再解釈したドラマチックな彫刻的チェーンが、ダイヤモンドの輝きで彩られている。6角形のタンザナイト(19.91ct)とペアシェイプのタンザナイト(23.78ct)の深みのあるブルーがホワイトゴールドとダイヤモンドのパヴェに映え、ドラマチックでエレガントなネックレスだ。チェーンの滑らかさと建築的で厳格なベゼルセッティングのコントラストがとてもアーティスティック。

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ネックレス「Assimetrico Tanzanite(アシメトリコ タンザナイト)」。55.96ctのイレギュラータンザナイトをあしらった、ローズゴールドの蛇腹がしなやかに肌に沿うネックレス。ホワイトダイヤモンドのパヴェセッティングが施された蛇腹の78個のモジュールの制作に職人たちは700時間を費やしたそうだ。

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リングの「Asimmetrico(アシメトリコ)」。アシンメトリーなカットの石にイレギュラーなファセットカットが施され、グリーントルマリンなどの色石に深みが表現されたリング。ダイヤモンドのパヴェセッティングがサイドにも続き、ボリュームを演出。

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「Rivière Zigzag(リヴィエール ジグザグ)」のネックレスとイヤリング。クラシックなリヴィエールネックレスを再解釈したネックレス。ダイヤモンドをパヴェセッティングしたジグザグチェーンにグリーントルマリン(写真)とルベライトをあしらった2種がある。石のフォルム、サイズ、セッティングの向きなどが不均一で、遊びが感じられるデザイン。ネックレスのトルマリンブーケは合計47.31ct。イヤリングのオーバル、ペアシェイプ、スクエアシェイプのグリーントルマリンの合計は27.94ct。

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1990年代 色彩のビジョン。

楽観主義が席巻し、喜びあふれる陽気な1990年代は、ミニマリズムと華やぎが共存した時代だ。ポメラートは革新的なカットと並外れた宝石の組み合わせを追求し、大胆なボリュームのジュエリーをクリエイト。この10年間の創作によって、色彩がポメラートのアイデンティティとなった時代だ。

37点が織りなすこのチャプターはまさに色彩の饗宴。90年代を彷彿させるミニマルなベースに、楽しい色彩を施したジュエリーにポメラートの芸術性と革新的な色彩へのアプローチを見ることができる。石の色のグラデーションが見事なネックレス、ポメラートおなじみカボションカットの複数の色石のイヤリング......。

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イヤリング「Marvelous Griffe Earrings(マーベラス グリフ イヤリング)」。マンダリンガーネット、ペリドット、ヘリオドール、ルベライトなどオーバルのカボションカットの10色の石のセレクションがある。ユニークなのはウォーターメロン・トルマリンだろう。その名のように赤と緑のスイカ色がとてもチャーミング。各石、色に合わせてパヴェセッティングが施されたグリフの丸みが、色石のカボションカットの官能性を強調。

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「Lagoon Bavarole(ラグーン バヴァロール)」。47個の不規則カットのグリーントルマリンがグラデーショを描くネックレス。ロープチェーンにはホワイトダイヤモンドがパヴェセッティングされている。

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「Precious Snap Hook(プレシャス スナップ ホック)」。このネックレスは1990年代のパワフルな女性らしさ、力強さを体現している。ポメラートのオリジナルカラーのローズゴールドが映えるチェーンのリンクには、部分的にダイヤモンドのパヴェセッティングが施されふたつのスナップフックゆえ、ネックレスはさまざまな付け方が可能。

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「Iconica Extreme(イコニカ エクストリーム)」。イコニカエクストリームのネックレスは揃いのブレスレットともども、中央に向かってリンクが大きくなるグラデーションが特徴だ。セットされているバゲットカットとブリリアントカットのダイヤモンドが、限りない輝きを放っている。

問い合わせ先:
ポメラート クライアントサービス
0120-926-035(フリーダイヤル)
https://www.pomellato.com/ja_jp

editing: Mariko Omura

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