ヴァンドーム広場の新名所は、
ルイ・ヴィトンのウォッチ&ファインジュエリーサロン

Fashion 2012.08.08

icon_paris.jpg 大村真理子の今週のPARIS


ヴァンドーム広場。宝石商広場と別称されるだけあり、世界有数のジュエラーが軒を連ねる。リッツホテル(現在改装工事中のためクローズ)が君臨する奇数番地側の最後にあたる23番地に、7月2日、ルイ・ヴィトンのウォッチ&ファインジュエリーサロンがオープンした。並びの21番地では、かつてのクチュールメゾン、スキャパレリが復活。これまで広場のなかでも比較的静かだった一角が急に活気を帯びることになった。

120801_01.jpg© LOUIS VUITTON

ラペ通りに続く路とヴァンドーム広場のコーナーに建つ17世紀の優美な建物。この一階と地階がサロンだ。宝石商広場の名前にふさわしい豪華なウィンドーディスプレーも、見逃せない。

 当日サロンの並びにあるリッツホテルで開催されたオープニングパーティには大勢のセレブが出席。カトリーヌ・ドヌーヴ、ソフィア・コッポラ、キルスティン・ ダンストといった映画関係者に始まり、ガイヤ・レポシやデルフィナ・デルトレーズといったジュエリークリエーターも集まって、ルイ・ヴィトンの新しい冒険を華やかに祝福した。

120801_02.jpg © LOUIS VUITTON

上段(左から)。カトリーヌ・ドヌーヴとソフィア・コッポラ、パリ版ゴージャズ姉妹はクラランス創業家のクレール・クルタンとヴィルジニー・クルタン、デルフィナ・デルトレズ、ルイ・ヴィトンx草間弥生のバッグを持ったガイヤ・レポシ。

下段(左から)。キルスティン・ ダンスト、ロレンツ・バウマーとモナコ王妃シャルレーヌ、ミス天気予報から女優に転身したルイーズ・ブルゴワン、"ヴォワイヤージュ ダン ル タン" をつけたモデルのナタリア・ヴォディアノヴァと現在のパートナーであるアントワーヌ・アルノー。

 23番地の建物は広場の他の建物同様、歴史的建造物に指定されているので外観は建築された当時のクラシックな佇まいのまま。一階と地下のサロンの内装はピーター・マリノが担当している。主役のファインジュエリーを引きたてる美しくも控えめなインテリアで、とても上品。ドアを開けてサロンに入るのは、ゴージャスなジュエリーをたくさん並べた大きな宝石箱を開くような感じだろうか。旅に関わりの深いメゾンは、異文化間の対話を大切にしている。店内にはクリエーションへのオマージュという気持ちもこめて、 ファルハド・モシリ、ラシッド・ラナ、テレジタ・フェルナンデスといった他文化圏の現代アーティスト3名の作品を展示している。

120801_03.jpg © LOUIS VUITTON

左/サロン奥に見られるファハド・モシリの作品「Bride」。天井のインスタレーションはテレジタ・フェルナンデスによる「Ink sky」。

右/ヴァンドーム広場を撮影した大量の小さな写真を並べて、ヴァンドーム広場を再現したラシッド・ラナの作品「Dis-location series #5 」は地下スペースに飾られている。

 10年程前に始まったルイ・ヴィトンのファインジュエリー創造の歴史は、ヴァンドーム広場の他のジュエラーに比べるとぐっと短い。でも、伝統と革新という、トランク作りと同じ姿勢でクリエイトされるファインジュエリーは、そんなことは関係なしに、限りなく美しい。店内、入り口付近には比較的買いやすいファインジュエリーが並べられている。その左手、奥まった部分にウォッチ(時計)が揃う。せっかく来たからにはサロンの奥まで進み、ハイジュエリーも含め、ルイ・ヴィトンのファインジュエリーのすべてを愛でておこう。

120801_04.jpg © LOUIS VUITTON

左/ピーター・マリノが手がけたシンプルでエレガントな内装。かつてジャン・ミッシェル・フランクがよく用いたストロー・マルケトリー(寄藁加工)の壁が印象的だ。

右/ウォッチコーナー。

 デザインするのはロレンツ・バウマー。旅をテーマにしたハイジュエリー・コレクションの第三弾は、パリにインスパイアーされたものだ。凱旋門からシャンゼリゼ通りを下って、チュイルリー公園へ。若きルイ・ヴィトンがこうして散策するうちヴァンドーム広場にたどり着く、というストーリーが秘められていた。そして最新のコレクションは、時空を超える旅をテーマに、モノグラムをフューチャリスティックに表現したハイジュエリーである。どれもクラシックなスタイル、テクニックの優美で繊細なハイジュエリーだが、現代的なディテールや機能がみい出せるという、ルイ・ヴィトンならではデザイン。

120801_05.jpg© LOUIS VUITTON

ハイジュエリーの新作コレクションVoyage dans le tempsより。ダイヤモンドによるモノグラムがゴージャスなイヤリング(左)や、モノグラム・レースが織りなすヴィクトリアン調の襟型ネックレス。


 さて、このサロンで見忘れてはならないのは、なんといってもフラワーカット、スターカットがほどこされたルイ・ヴィトンカット・ダイヤモンドをあしらったジュエリーだろう。この2つのカットはモノグラムから発想を得た、ルイ・ヴィトンだけのオリジナル。どちらも刻みが深いカットなのでたいそう高度な技術が必要で、これができるのはイスラエルにあるたった一カ所の工房だそうだ。

120801_06.jpg © LOUIS VUITTON

これがスターカット・ダイヤモンド。

 ハイジュエリーのアトリエはサロンの開店にともなって、同じ建物内に設置された。世界各地から驚くような宝石がここに集まるわけだ。ハイジュエリーの顧客の果てしない願いを叶えるには、アトリエの併設は大切な要素。一般客には関係ないことだけれど、ヴァンドーム広場を煌めかせる夢がこうして同じ建物内で、優秀な職人の手によって紡がれていると思うだけで、少しだけゴージャスな夢のお裾分けに預かったような気になれる。マリリン・モンローが歌う前から、ダイヤモンドは女の子のベストフレンド!なのだから。

120801_07.jpg © LOUIS VUITTON

サロン上階にあるアトリエ。

Louis Vuitton

23, place Vendome

75001 Paris

営) 10時30分〜19時

休) 日・祝

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