アナ・スイ、自身のデザイナー人生は"格別"なもの!
Fashion 2015.10.26
米出身のデザイナー、アナ・スイは、自分が金銭的な後援者なしにファッション業界で成功できたことを、"格別"なものと感謝しているという。
アナは、有名デザイナーを数多く輩出して来たデザインの専門大学、パーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業後、バイトで生計を賄いながら、自分が住む小さなアパートで自分の服を売り始めた。やがて、彼女の友人であるモデルのナオミ・キャンベルやリンダ・エヴァンジェリスタらの勧めでランウェイショーを開いたことがきっかけとなり、アナはブレークを果たすことになった。いまやファッション界で最も有名なデザイナーのひとりになったアナは、自身の物語が、ファッション界を志す若者たちに、必ず成功できるという夢を与えることを望んでいる。
「どうやって私が成功できたかを、いつも聞かれるの」と、ファッション業界専門紙『WWD』に対してアナは語っている。「デザイナーを夢見る人は多いけれど、私は少し特殊な例で、金銭的な後援者なしに自分で始めたのよ。いまでも自分の会社は、個人所有なの。これはデザイナーを志す人たちにとって、ひとつの手本になるのではないかと思うわ」
自立性を何よりも尊ぶアナにとって、デザインとは、ひたすら自分自身のオリジナルピースを作り上げること。そんなアナは、各デザイナーたちの服が何となく似通ったものになっているのを見ると悲しく思い、大胆に新しいものを放り込んでくるデザイナーに出会うと喝采を送りたくなるそうだ。
「型にはまらない個性が好きなのに、すべてが型にはまってきてしまった。カジュアル志向が強くなり過ぎたのかも」と、アナはため息まじりに嘆く。「でも、ちょっと興奮しちゃうような動きがいま見受けられる。私は、いまのグッチの作品に夢中なの。変わっていて、特別だわ。アンドロジナスなところと、あの装飾が大好き。とても美しいと思う」
そのグッチは、今年2015年初頭にアレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ・ディレクターに就任、前任のフリーダ・ジャンニーニ時代と大きく趣を変えた。「それがファッションよ。そうやって、トンボ返りのようにまったく変わっていく。予想外のことを誰かがやってくれるから、興奮するし、新しい。『あら、まあ!どうしてこうなったの?』というのは、いいことなのよ」
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