ある芸術家は自分の作品に執拗に何度も手を入れ、ある研究者は繰り返し同じ資料を読み返します。本当に納得のゆくものを完成させようとする時、人間はたいてい、同じ場所を行きつ戻りつします。ひとつの動作を繰り返し、同じ道を何度も通ります。この時期の貴方はちょうど、そんな状態にあるようです。貴方の才能の輝きが、情熱のきらめきが、同じ場所を何度も繰り返し通ることを要求するのです。決して「なんとなく通り過ぎてしまう」ことを許しません。
同じことを繰り返したり、同じ場所を何度も訪れたりすることを「ムダだ」「退屈だ」と思う人もいます。その人たちは多分、何も捉えることができていないのかもしれません。同じ場所を繰り返し通っているようでも、本当に眼を開いている人は、その場所にいつも新鮮なものを見いだします。繰り返し通る価値のある道、繰り返し会う意義のある人が今、貴方の視野に入っています。