先週に引き続き「殻を破る」時間の中にあります。優れた芸術家は過去の自分のやり方を何度も破棄し、新しい手法に改めていきます。優れた作り手は「作るセンス」以上に、それを「見るセンス・使うセンス」を持っています。自分の作ったものを見て、「これではない、もっといいものがあり得るはず」と自己否定できるのは、優れたセンスを持っているからです。自分の作ったもののなかに「ここはダメだ」というものを見いだすのは苦しいことですが、それでもそこを否定して、新たなものを探しにゆく力は、優れたクリエイターの才能のひとつです。
今週、貴方はこれまで「いい!」と思っていたものを「やっぱりそうでもないかも」と感じるかもしれません。陶芸家が少しでも気に食わないところがある作品を全部破壊するのに似て、「こうじゃない!」と否定するところに創造性がギラギラと輝きます。
あるいは作ったものを否定するのではなく、それにまつわる行動パターンを「破壊」するのかもしれません。たとえば、自分が作ったものを人に見せるのを頑なに拒んできた人が、「勇気を出して、見せてみよう」と思えるようになるのかもしれません。愛を伝えることを拒否してきた人が、「伝えなければ、意味がない」と思えるようになるのかもしれません。