「責任」と「目的」「目標」は、長い時間の中ですり替わりがちです。最初は「世の中をよくしよう!」と思って始めたことが、だんだんに「言い出した責任を自分が取らないと、関わってくれた人に申し訳が立たない」といった気持ちになっていきます。最初は純粋に「子どもの健やかな成長」を目標にしていたのに、いつのまにか「子どものやったことの責任は自分が取らなければ」という方向へ、心が縛られてゆくこともあります。「責任」は大事なテーマで、崇高なものです。でも、ごく狭い範囲にだけ適応される「責任」が、物事の本質を見失わせ、結果的に活動の全体を深く混乱させることも、あり得ます。
この時期、そうした狭い「責任」のほうへ流れがちだった心を、もともとの「純粋な目標」のほうへと引き戻せるかもしれません。目の前のことを完璧にやり遂げなければ!というプレッシャーが、今は比較的ゆるいはずなのです。この「ゆるさ」の中で、「本当に目指していた場所は、どこだっけ?」という問いに立ち返れます。この「立ち返り」が、不要な不安や悩みを吹き飛ばし、必要な荷物だけを持って歩き出す「身軽な旅」を可能にしてくれるはずです。