「自分の機嫌は自分でとる」という考え方を、最近はあちこちで目にします。八つ当たりのように不機嫌をまき散らすとか、周囲の人に自分の機嫌をとらせようとするような態度は、確かに「立派な大人」のやることではありません。ただ、物事への満足・不満足、楽しさやリラックス感などは、周囲の人と完全に無関係に成り立つ、というわけではありません。外界からの刺激を完全に遮断するのでない限り、私たちの「気分」は大なり小なり周囲の人の振る舞いや態度から影響を受けます。自分のご機嫌は、自分のコントロール「だけ」でどうにかできるものでもなさそうです。
自分自身の態度や行為が周囲にどのような影響を与えているのかは、比較的わかりにくいところがあります。一方、他人の態度や表情の変化はダイレクトに感じ取れます。このギャップが大きいほど人は傍若無人になってしまうものなのかもしれません。
普段、人の態度をあまり気にしない人は、今週はそれを敏感にキャッチできるかもしれません。逆に、普段人の機嫌を気にしすぎてしまう人は、今週は自分の思いのほうをいつもよりも強く表に出せるかもしれません。普段に比べ、思いを「受け取る」「表現する」ことのバランスが変わるのです。それによって膠着的に思えた状況がパッと変わりはじめるかもしれません。