いろいろな人と「手を携えて」進む時です。今はひとりで突き進むような動きは、ほとんどありません。協力したり、助け合ったり、サポートを要請したり、作業をみんなに割り振ったりすることの中で、物事がダイナミックに進展していきます。人間関係にはさまざまな名前が付いています。上下関係を示す名前がまず、たくさんあります。上司と部下、先輩後輩、「目上の人」、師弟など、年齢がひとつ違うだけでも言葉遣いが変わります。さらに、友だち、知り合い、親友など、付き合いの深さを区別する言葉もたくさんあります。でも、そうした「立場性」を表す言葉の外側で、協力して何かに取り組む時は、「役割」という別の枠組みが顔を出します。たとえ目上の人であっても、下の人の命令に従わなければならないことがあります。友だち同士であっても、使う側と使われる側に分かれることがあります。そうなると、不思議なフラットさが求められます。すでにある立場性から自由になって、新しい顔で接する必要が出てくるわけです。
この時期はもしかすると、そんなことが必要になるかもしれません。先生が生徒に教えを請うたり、親が子どもに導いてもらったりすることで、新しい世界が生まれ、物事が勢いよく進展し始めます。「反転」「交代」のとっかかりでは心理的ハードルがあったとしても、進んで行った先では、強い信頼関係が生まれ、大団円となります。