「この2枚の絵は一見同じですが、違うところが9個あります。さて、どこでしょうか?」と言われたら、2枚の絵を見比べて、小さな違いを探し出そう!という眼差しになります。あとで「あの絵の中には何が描かれていましたか? 人は何人、動物は何匹いましたか?」などと聞かれても、答えられなかったりします。30分くらいも、目を皿のようにして絵を見つめていたのに、ごく簡単なモチーフの記憶を呼び起こせないのです。「この写真の中には、何人写っていますか?」と聞かれれば人数を数えます。「この写真は、いつ頃の時代のものでしょうか?」と言われれば、髪型や服装、景色を見つめます。私たちは同じものを見る時でも、心の中に微かな問題意識を抱いていて、その意識に沿って「見る」のです。ゆえに、前者の問いの後に時代感を聞かれたり、後者の問いの後に人数を聞かれたりしても、答えられないことがほとんどです。
この時期、いつもと似たような景色や状況を見つめていても、「見えるもの」が大きく変化するでしょう。それは、貴方が「何を見ようとするか」というそのことが、変わるからです。友だちにしか見えていなかった相手が、突然恋人として見え始めるかもしれません。誰かの「問題行動」が、突然「その人からのメッセージ」に見えるようになるかもしれません。「どうにかしてうまくやっていきたい相手」が「距離を取るべき相手」に見えるのかもしれません。いずれにせよ、その「見え方の変化」は、貴方の「考え方の変化」「問いの変化」に直結しています。この「問いの変化」は、周囲とのコミュニケーションをきっかけに発生するのかもしれませんし、あるいは貴方が少しだけポジションを変えることで起こるのかもしれません。




