運動会に「借りもの競走」という競技がありました。今もあるのかはわかりませんが、「コロナ禍」ではなかなか難しそうです。走って行った先に箱が置かれており、中からクジのように紙を引くと、そこにものの名前が書かれています。「帽子」「めがね」といった何かを、客席の誰かから貸してもらい、それを持ってゴールするのです。誰もそのアイテムを持っていなかった場合はゴールできません。なかなか理不尽な競技です。
今週の貴方の世界では、もしかすると「借りもの競走」のようなことが起こるかもしれません。誰かから何かおかしなものを借りることで、ゴールする条件が整うのです。場合によっては向こうから「借りもの」を勝手に持ってきてくれる可能性もあります。いずれにせよ、自分ひとりの才覚ではゴールできないようなシチュエーションがあるだろうと思うのです。
人と人との協力関係というのは、実に奇妙なものです。ただ同郷だというだけで、気も合わないのに結託したりする人がいます。利害の一致や好意・嫌悪、「呉越同舟」のような協力関係もあります。その時だけの協力もあれば、ちょっとしたきっかけでずっとタッグを組み続けるふたりもいます。今週の「借りもの」イベントは、もしかするとこの先ずっと長く営める友情や愛情の、入口なのかもしれません。