たとえば、人から言われた褒め言葉をお世辞ととるか、正直な意見だととるか、それとも、何らかの好意の表明だととるか、これはとても難しいところです。誰もができるだけ「相手の真意に近付きたい」と考えますが、実際には自分自身の反応が、相手の真意を決定づけるところもあるのだと思います。相手の真意と相手の期待は、同じところにはない場合もあります。実はお世辞ではあるけれど、相手に心から喜んでほしい!という気持ちは本物、といったケースもよくあるのです。この場合、相手の真意を暴くことより、心から喜ぶほうが、幸福や信頼の総量は多くなります。
今は、人から受け取れるものがたくさんある時です。そこには温かな思いや熱い気持ちがたっぷりこもっています。それをどのくらいストレートに受け取れるかが、大切なのだと思います。
人間関係は、クイズではありません。謎を解いたり間違いを正したり、嘘を暴いたりすることは、プラスに作用することもあれば、そうでない場合もあります。少なくとも今週、誰かから「前向きなもの」「ポジティブなもの」を受け取ったら、それを「クイズ」のように捉えないことがポイントです。喜びあえるあたたかな世界を作るにはどうしたらいいか、という観点に立てば、疑心暗鬼で傷つけ合うような間違った道を選ばずに済みます。