たとえば勉強や練習などの場では、最初から正解を出すことには、あまり意味がありません。「自分には何ができないのか」を見つけ出し、そこにアプローチすることで、力がついていくからです。もとい、「自分の強みは何か」を知ってそこをのばすことも大切です。ただ、たとえば問題集を開いて、当てずっぽうで答えを「当てよう」とする人がいたら、まったくなんにもなりません。そんなバカなことをする人はいない、と思われるかもしれませんが、世の中では結構、そうしたことが起こるのです。「今この場を、瞬間的に、当てずっぽうでなんとか乗り切れれば、それでいい」というような発想に、陥ってしまう場合があるのです。「失敗したくない」「恥をかきたくない」という気持ちが強い場合ほど、そんな具合になることがあります。
この時期は、できないことや弱点、問題点が出てくることが、とても素晴らしいのです。なぜなら、貴方の才能や個性が今、ガンガンに開花しつつある最中だからです。良いところはすでに出ていて、できないところや弱いところも現れつつあります。この部分をごまかしたり、場当たり的な当てずっぽうで乗り越えようとしたりしないほうが、より望ましい軌道に乗れるはずなのです。ちょっとくらいできないことがあっても、それを「引き受ける」勇気を持てれば、周囲からの信頼や尊敬はむしろ、増してゆくものだと思います。今は特にそういう時期です。