ハイブリッド和菓子をいただきます。 バリエーション3展開。新しいあんの世界に開眼!

Gourmet 2018.10.01

和菓子の命ともいえる‟あん”が、柔軟な発想でもって新しいスタイルに。従来の価値観を覆す、あんへの飽くなき探求は、日本だけじゃなく世界にも飛び火しそう。

ペーストになった万能あんで、毎日を‟あん”のある暮らしに。

トラヤカフェ・あんスタンド「あんペースト」

あんは、もはや和菓子だけのものではない! ペースト状になったあんを、いつもの食事に自由に取り入れれば、あんの新たな魅力に開眼すること必至。食卓に和の華やぎがもたらされる。

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左から、あんスタンド銀座店限定の「あんペースト(シンプル)」¥432、香り高い「あんペースト(白ごまときな粉)」¥864、小倉の食感が楽しめる「あんペースト(小倉あん)」¥648。定番3種(こしあん、小倉あん、白ごまときな粉)は、写真のスモールサイズの他、レギュラーサイズも用意。

室町時代後期から続く老舗のとらやが、もっと気軽に‟あん”のある生活を楽しんでほしいと、新業態であるトラヤカフェ・あんスタンドを出店。ペースト状にしたあんの瓶詰めを扱い、食卓にあんのある暮らしを提案する。

新宿店、北青山店に続き、今年8月に開業した銀座ソニーパークの地下3階にオープンした銀座店では、夏・冬限定で地上にポップアップストアも登場。夏はかき氷(9月30日に終了)、冬はお汁粉といった、あんペーストを使ったあんの新たな楽しみ方を発信している。

看板商品のあんペーストは、黒砂糖やメープルシロップを加えて、奥行きのある濃厚な甘さに仕上げた「こしあん」と「小倉あん」、希少な白小豆でつくった白あんをベースにした「白ごまときな粉」の定番3種に加えて、季節限定のペーストも展開する。この秋は、国産とフランス産の栗と白あんを合わせた「栗」のあんペーストも好評発売中だ(12月上旬販売終了)。さらに銀座店の限定商品として、原材料は小豆、砂糖、寒天のみの食べきりサイズ「シンプル」も販売。すっきりした甘みのあんは透明感があり、何とでも合わせやすい。

使い方は、ジャムやはちみつのように、何とでも自由に試してみたい。ペースト状だから使い勝手がよく、パンに塗って食べるのはもちろんのこと、ヨーグルトやグラノーラ、ミルクに混ぜていただくのも美味。アイスクリームやスイートポテトに添えていただくもよし、自分だけのおいしい食べ方を何通りも見つけられそうだ。

トラヤカフェ・あんスタンド銀座店
東京都中央区銀座5-3-1 Ginza Sony Park B3F
tel:03-6264-6895
営)11:00~19:00
休)水、1/1
www.toraya-group.co.jp/toraya-cafe

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あんと野菜を練り込みしっとり焼いた、和風パウンドケーキ。

麻布野菜菓子「野菜の焼き浮島」

あんをベースにした伝統的な蒸し菓子である浮島を、蒸すのではなく焼いて、洋風の棹菓子に仕立てた焼き浮島。野菜と果実の風味を生かしたまろやかなおいしさで、ワインとの相性も抜群です。

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野菜そのままの味わいを洋和菓子として堪能できる3本。スライスすると断面に具材がごろごろと。左から、「小松菜と抹茶」、「ごぼうとチョコ」、「トマトといちじく」野菜の焼き浮島(1本W5×H6×D20㎝)各¥2,376

その名も、麻布野菜菓子。野菜のやさしい味わいを生かした創作和菓子で注目を集めている店だ。野菜あんを挟み込んだどら焼きや最中、野菜の羊羹などの人気商品は、いずれも野菜本来の味を包み込んだ穏やかな甘さが引き立つものばかり。隠し味に洋酒やスパイスなどのアクセントを加えることで、奥行きのあるおいしさを生み出している。

新作の野菜の焼き浮島は、あんと野菜のパウダーを練り込んだ生地に、野菜や果実の蜜煮をたっぷりちりばめた、さながら和風パウンドケーキといった棹菓子だ。小松菜、ごぼう、トマトを主役に、味と食感の相性を吟味して、それぞれに抹茶と甘納豆、チョコレートと柚子、ドライトマトといちじくをカップリング。バターを加え、風味豊かに焼き上げているが、あんをたっぷり使っているだけに、生地はしっとりとしていてまろやか。華やかな色彩とほんのり効かせたラム酒の余韻まで楽しめる、大人にふさわしい洋和菓子になっている。1本ずつうやうやしく専用ボックスに包装されてあるので、ちょっとしたおもたせにも最適だ。

麻布野菜菓子
東京都港区麻布十番3-1-5
tel:03-5439-6499
営)11:00~19:30
休)火
www.azabuyasaigashi.com

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コーヒーともワインとも相性がいい、チョコレート羊羹の誘惑。

茶菓工房 たろう「たろうのようかん」

羊羹が洋素材と出合い、画期的なハイブリッド和菓子に。フレーバーと餡それぞれの良さを引き出す斬新なアイデアは、新たなスタンダードを生み出しました。羊羹が苦手な人こそトライしてほしい逸品です。

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左から、「カカオチョコ」、「ピーナッツバター」、「ホワイトチョコ」のたろうのようかん(1本W3.7×H1.9×D8㎝)各¥302。他にも抹茶が香る「こいちゃ」、定番の「あずき」も展開しており、5種セットにした贈答用は5本入り(¥1,685)から用意。

数多ある老舗和菓子店が軒を連ねる金沢に、2005年に誕生した茶菓工房 たろう。最中やきんつばなど、伝統的な手法による古典的な和菓子を大事にする一方で、意表を突く新感覚の和菓子づくりにも精を出し、若い世代にもアピール。和と洋のいいところを融合させた和菓子は、現代日本のライフスタイルに沿うもので、日常的に楽しめる身近な存在である。

看板商品のたろうのようかんの中でも、その顔といえるのが「カカオチョコ」の羊羹。上質な生チョコのようなしっとりとした重厚感の中に、餡の質感もしっかり感じることができるのだから、れっきとした和菓子だ。厳選した寒天を使用して、瑞々しくなめらかなテクスチャーに仕上げており、羊羹独特のもったりとした口当たりとは無縁なのも高ポイント。

さらに、芳ばしい香りと粒の食感が楽しい「ピーナッツバター」、ミルキーな甘みの「ホワイトチョコ」も、他ではお目にかかれない個性的な羊羹で、それぞれに風味豊か。せっかくならいろんなフレーバーを切り分けて、新しい羊羹の世界をとことん味わってみたい。日本茶だけでなく、コーヒー、紅茶、ワインなど何とでもマリアージュを楽しめるのも魅力だ。

茶菓工房 たろう
本店:石川県金沢市弥生2-9-15
tel:076-213-7233
営)9:00~18:00
休)1/1、1/2
www.sakakobo-taro.com

photos : TETSUO KITAGAWA, stylisme : MARIKO KOYAMA, texte : ERI ARIMOTO, collaboration : UTUWA

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