ハイブリッド和菓子をいただきます。 意外性が鍵! 食感と味の調和を楽しむ、新感覚サンド。
Gourmet 2018.10.02
洋菓子に和素材を挟み込んだり、スタンダードな和のおやつを生地から見直すことで、まったく新しい和サンドに。素材の意外なマッチングがおいしさの秘訣です。
ふんわり、とろり。何個でも食べたいリッチな生どら焼き。
DOU「生どら焼き」
スポンジケーキを思わせる、ふんわりなめらかな質感の生地に、こだわりの粒あんを挟み、さらに生クリームと求肥をトッピング! 従来のどら焼きにはない食感と口どけに、誰もが夢中に。
上から、抹茶の生どら焼き 1個¥270、季節限定の栗の生どら焼き 1個¥324。これ以外にも、定番のプレーンの生どら焼きや、ソフトクリームを挟んだ生どら焼き(アトレ浦和店を除く全店舗)も展開。
焼きたてチーズタルト専門店のBAKE CHEESE TARTをはじめ、話題のスイーツブランドを数々手がけてきたBAKEが和菓子のジャンルに初挑戦。昨年、生どら焼き専門店DOUを池袋駅の構内にオープンさせた。
「和と洋の共鳴」をコンセプトに開発した生どら焼きは、生地の軽さをとことん追求。シフォンケーキをつくるのと同様に、卵白と黄身を別々に泡立ててつくる生地により、ふんわりしっとりとした上品な口あたりを実現した。
その一方で、どら焼きの命とも言えるあんこには、北海道十勝産の最上級小豆「雅」を使用。丁寧に炊き上げ、香りを残した品のある粒あんに仕立てている。さらに、すっきりした舌触りの生クリームと、もちもちした食感の求肥をプラスし、口の中でとろりと混じり合う三位一体のおいしさが楽しめる。
加えて、季節限定の生どら焼きなら、栗などの旬の恵みをトッピング。抹茶の生どら焼きの場合は、生地そのものにも抹茶を練り込むなど、それぞれのアレンジも絶妙。見た目も華やかなので、専用ボックスに詰め込めば自慢の手土産にもなりそうだ。
池袋店:東京都豊島区西池袋1-1-21 東武池袋駅構内B1F アップルロード
tel:03-5955-5380
営)10:00~22:00
無休
https://namadorayaki.com
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弾力あるテクスチャーが新鮮! 餅をサンドした和風マカロン。
高林堂「和マカロン」
マカロンといえば、サクッと軽い生地と具に挟んだクリームやガナッシュとの調和を楽しむフランスを代表するお菓子。代わりに餅を挟んだことで、もっちりと弾力ある新食感の和マカロンが誕生しました。
定番の3種(チョコ×チョコ餅、きな粉×黒蜜餅、黒ごま×黒ごま餅)に、季節限定の2種(抹茶×抹茶ミルク餅、木苺×木苺餅)をセット。和マカロン5種(各1個入り)¥1,000
宇都宮で明治18年に創業以来、四季折々の美しさを和菓子に込めてきた高林堂。3代目の若き店主、和氣康匡氏は、伝統の技に新しい風を吹き込もうとマカロンに着目。生地のテクスチャーはそのままに、中に餅をサンドした和マカロンを5年かけて編み出した。
ふんわりとアーモンドが香る生地は、外はサクッと焼き上げ、内側はしっとり。まさしく典型的なマカロンそのものだ。ただし、具材の餅とのバランスがいい、和の素材や旬の果実をフレーバーに組み込み、日本茶ともコーヒーともマッチする新しいおいしさを生み出した。もっちりした弾力ある食感と相まって、存在感ある新感覚のマカロンになっている。
定番のきな粉、黒ごま、チョコに加え、春はさくら、冬はゆずなど季節限定品も展開するので、その都度、驚きと発見がありそうだ。日本の伝統色を彷彿させる落ち着いた配色もシックで、ちょっとしたギフトにもぴったり。
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身体が喜ぶ、自然素材の恵みがまるごと詰まった餡サンド。
和のかし 巡「ラム餡サンド」
サブレ生地にラム酒が香るなめらかな餡をサンドして、和でも洋でもない大人のスイーツに。マクロビかつグルテンフリーなので、身体にやさしく、自然そのものの滋味深いおいしさが楽しめるのも魅力です。
餡サンドのシリーズ第1弾は、凛とした佇まいの正方形のサブレに、シンプルなラム餡をサンド。今後、さまざまな餡フィリングで登場予定だ。10月から5個セットで販売。価格未定。
代々木上原の住宅地に佇む、和のかし 巡は、2016年にオープン。店主の黒岩典子さんが手間をかけて丁寧に作り続けるのは、ヴィーガンかつマクロビ・グルテンフリーの和菓子だ。
白砂糖を使わず、卵、小麦粉、添加物ゼロ。小豆などの食材は無農薬のものを厳選し、栄養をそのまま摂れるように皮までまるごと使用するという。健康に向き合って身体に寄り添う和菓子は、健康ブームのこのご時世にあってもそう出合えるものではない。
秋の新作である餡サンドは、「日持ちのするお菓子を」という常連の声から考案。洋菓子のレーズンウイッチにヒントを得て、クリームの代わりに自慢のあんをサブレに挟むといった斬新な一品になっている。あんには沖縄県伊江村で作られた無添加のラム酒を合わせ、なめらかな舌触りの中に芳醇な香りをふんわりと含ませた。
有機白高きび粉に栄養価の高い糠(ぬか)を加えてつくるサブレ生地も、もちろんマクロビかつグルテンフリー。ごまパウダーを使って軽やかな芳ばしさを加え、和菓子らしいサブレ感を編み出した。口に含むと、噛みしめるほどにじんわりと甘みが広がり、その余韻は心に染み入るほどどこまでもやさしい。
photos : TETSUO KITAGAWA, stylisme : MARIKO KOYAMA, texte : ERI ARIMOTO, collaboration : UTUWA