夜食べてはいけない!? バナナにまつわる5つの思い込み。
Gourmet 2018.10.18
子どもにとっては理想的なおやつであり、忙しい時には手軽に取れる朝食にもなり、スポーツの合間に軽食として食べてもいい。バナナはみんなに好かれる果物だ。でも、太らないように食べる量は控えめにしなければならないらしい。これは本当なのか、嘘なのか? 栄養学の研究者で栄養士のイザベル・ルヴァスールが、バナナにまつわる通説を検証する。
バナナには糖質が豊富に含まれている。だからと言って、太る元になるとは限らない。photo:iStock
バナナを食べると太る。
嘘。イザベル・ルヴァスールはこう言い切る。「さまざまなものをバランスよく食べている限り、バナナが他の果物に比べて肥満の元になるということはありません。食べ過ぎないようにするだけのことです」
バナナは100グラムで90kcal。りんご(同52kcal)に比べるとカロリーは高い。バナナには糖質が豊富に含まれているが、1日1本食べる程度では太ったりはしない。それどころか、バナナを食べないなんてむしろ間違っている。バナナには人間にとって必要な栄養素が多く含まれているのだ。「バナナから摂取できる栄養素には、ビタミンB6(疲労を抑制し、赤血球の形成を助ける)、マンガン(骨を強くし、細胞の老化の原因となるフリーラジカルに抵抗する)、カリウム(筋肉の活動、血圧の安定に重要な役割を果たす)、セレン(免疫力を高める)などがあります」
バナナは空腹感を抑える。
本当。バナナのカロリーのほとんどが炭水化物だ。この天然の糖分は身体に吸収されやすく、不足しているエネルギーを瞬時に補ってくれる。しかし空腹感が収まるからといって、朝食をバナナだけで済ますのはおすすめしない。「バナナにはたんぱく質や脂質が含まれていません。どちらも体が円滑に機能するために欠かせない栄養素です。それに、バナナはグリセミック指数(血糖値の上がり方を示す数値)が高いため、強い空腹感を引き起こす場合があります」と、ルヴァスールは強調する。血糖値を安定させるためには、バナナを食べる時に油を含む果物(アーモンド、ヘーゼルナッツ、クルミなど)や、チーズなどを一緒に摂るといいそうだ。
バナナをたくさん食べると身体に悪い。
本当でもあり嘘でもある。「バナナはカリウムの含有量が多く、中位の大きさでも100グラムあたり300~400ミリグラム含まれています。ですから、カリウムの摂取量が制限される腎臓病などの持病のある人は食べてはいけません」とルヴァスールは言う。だが医師からそうした指示を受けていなければ、1日にバナナを1本食べることには、なんの危険もない。
バナナは夜に食べてはいけない。
嘘。炭水化物の含有量が多いため、バナナを夕食後に食べないほうがいいと考える人もいる。「夕飯にピザを食べたら、デザートにバナナを食べるのは避けたほうがいいでしょう。全体としてカロリーの取り過ぎになってしまいますから。ただ、バランスの取れた夕食を摂っていれば、バナナを食べてもまったく構いません」
バナナには整腸作用がある。
本当。食物繊維が豊富なバナナは、腸の強い味方だ。しかも、下痢の症状を改善してくれるだけではない。「バナナには、摂取物が消化管内を通過する時間を遅くするペクチンと、通過を促進するセルロースとが同じくらい含まれています。だから便秘解消にも効果があるのです」
texte:Sevin Rey (madame.lefigaro.fr)