パーティシーズンは、ポルトガル料理でおもてなし。#01 家庭でもレストランでも定番、心まで温まる「緑のスープ」。
Gourmet 2018.12.19
本日、12月19日発売の「フィガロジャポン」2月号はポルトガル特集。素朴で可愛いものやおいしいグルメだけでなく、新たなトレンドもじっくり紹介する旅ガイドだ。この国の魅力の一端に触れるため、家族や友人と家でゆっくり時間を楽しむことも多いシーズンにぴったりのレシピをご紹介。「ポルトガル食堂」を主宰して家庭料理とワインの魅力を広める馬田草織さんが、本格的だけど簡単にできる前菜、メイン料理、デザートの3品を教えます。初回の前菜は、日本の味噌汁のように親しまれているスープ「カルド・ヴェルデ」。
カルド・ヴェルデ(緑のスープ)
Caldo Verde
美しい緑色が印象的なカルド・ヴェルデは、直訳すると「緑のスープ」。緑の正体はポルトガルでコーブ・ガレガと呼ばれる野菜で、ケールの仲間だ。スープをスプーンですくうと、緑色のケールの千切りが麺のようにたっぷり絡みついてくるので、初めて食べる人はちょっと驚く。
ケールはキャベツなどと同様に、加熱するとアブラナ科野菜独特の旨味がある。ベースはジャガイモとタマネギのシンプルなポタージュで、味の決め手は塩。その上に、風味豊かな腸詰めショリッソ(サラミ)の薄切りを浮かべ、新鮮なオリーブオイルをぐるりと回しかけて完成、とても素朴で優しい味わいだ。
スープ王国と呼べるほどスープの種類が豊富なポルトガルだが、その中でもカルド・ヴェルデは特に愛されている定番。家庭で作られるのはもちろん、レストランでも大抵メニューにあって、ちょうど日本の味噌汁のような存在。寒い時期には欠かせない、口にすると誰もがほっとする、ポルトガルのお母さんの味なのだ。
材料(4人分)
ジャガイモ 大2個
タマネギ 1/2個
ケール(またはキャベツの外葉) 2枚
水 600ml
サラミ(腸詰)の薄切り 4枚
エクストラバージン・オリーブオイル、塩 各適量
作り方
1.ジャガイモは皮を剥き、4等分に切る。タマネギは1枚ずつばらす。ソーセージは薄い輪切り、ケール(キャベツの外葉)は千切りにする
2.鍋に<1>のジャガイモ、タマネギ、水を入れて茹でる(減った水分は足す)。ジャガイモが柔らかくなったら鍋の中で粗くつぶし、ハンドミキサーで混ぜるか、ざるで漉してポタージュ状にする。
3.キャベツを加えて火を通し、味をみて塩で調える。
4.器によそってサラミを浮かべ、オリーブオイルをひと回しする。
作り方のコツ
★ケールがなければ、キャベツの青い外葉を使ってもおいしくできる。いずれも細い千切りにすると、色がきれいに出る。
★オリーブオイルは香りの良いエクストラバージンを。
乾杯にぴったりのドリンク3選。
photos:JUN HASEGAWA, réalisation:SAORI BADA