料理研究家にこっそり聞いた、駆け込み食材店とお助け食材。

Gourmet 2019.04.20

フィガロジャポン最新号(4月20日発売)別冊「東京案内2019」のスピンオフ企画。料理の格をワンランク上げてくれる、ひと振りの調味料や異国の乾物。プロの料理家が教えてくれたのは、いつもの料理を楽しくしてくれるお助け食材。ニッチかと思いきや、汎用性は広く、おもてなしに使えば「これどこの?」と聞かれそう。

料理家・平野由希子さん推薦①

【ノンナ・アンド・シディ・ショップ】
マリチャのティムール

ネパールで作られるスペシャルな山椒。

マリチャはイタリアのカフェオーナーが始めた、産地や製法にこだわるコショウメーカー。注目の「ティムール」(¥1404)は、山椒のこと。ネパール南部、タライ地域の熱帯森林に住む民族が栽培している赤い実で、日本の山椒と同じように爽快な香りが広がるが、ジャングルでとれるものは特に香りが濃厚だ。

「まずは焼いた肉の仕上げにパラリと振っててみて。がらりと印象が変わりますよ。魚料理、パスタ、そして中華。お菓子に加えるのも楽しいです。同じマリチャのいわゆる黒コショウ、『ネロ・ディ・サラワク』もおすすめ」

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マリチャの「ティムール」 90g¥1,404

ノンナ・アンド・シディ・ショップ
イタリアからの輸入食材を扱う、食のセレクトショップの草分け的存在。恵比寿にあるショップではビオワインを50種類以上販売し、試食・試飲も。

東京都渋谷区恵比寿西2-10-6 大槻ビル102
tel:03-5458-0507
営)11時~9時
休)日、祝
www.nonnaandsidhishop.com

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料理家・平野由希子さん推薦②

【ワンダーランド】
アンヌ・ローズのピモン・デスプレット

ひと振りで味に奥行きが出る“美食の唐辛子”。

鮮やかなオレンジ色の粉唐辛子は、フランス・バスク地方エスプレット村の特産品。“美食家の唐辛子”と呼ばれ、洗練された辛味が鼻腔に広がる。フランス伝統料理を追求したシェフ、クリスチャン・パラの出身地は、このエスプレット村にほど近く、スペシャリテのブーダン・ノワールにもこの唐辛子が欠かせない。

「バスクでは、塩&コショウではなく、塩&ピモン・デスプレット、というくらい何にでも使います。特にピペラド(ピーマンのトマト煮込み)には欠かせません。辛いだけでなく、酸味、甘味もあるので、ひと振りするだけで味に奥行きが出て、肉・魚料理、煮込み、サラダ、チョコレートにも。和食に使うのもおもしろいです」

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アンヌ・ローズ「ピモン・デスプレット」 50g ¥2,160

ワンダーランド
フランスやイタリアのワインを扱うショップで、蒸留酒や調味料、カトラリーなどにもセレクトの世界を広げている。「ワインショップなので食材は多くはないけれど、シードルから作られたビネガーなど、心強いセレクトが頼もしい」

東京都渋谷区代々木5-60-2 参宮橋スカイコーポ102
tel:090-6006-8527
不定期オープン
https://winc.asia
平野由希子 Yukiko Hirano
『ソムリエ料理家のワインを飲む日のレシピ帖』(KADOKAWA刊)が近日発売予定。madameFIGARO.jpでもレシピを公開中。

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チオベン・山本千織さん推薦

【グリーンナスコ】
シャルマ・ホールディングスのパニプリ

新大久保のマーケットで買う、インドのスナック。

新大久保を賑わせているのは、韓国関連の店だけではない。タイやインドの食材、ハラール食材を扱う一帯も盛り上がりを見せている。こちらもその一店で、観光客は(いまのところ)少なく、ほかではなかなか手に入らない現地食材を求める外国人に大人気だ。

「パニプリ」は揚げると球状に膨らむインドの軽食。20枚入で\250というお手頃価格でインド気分を楽しめる。「パニプリは中が空洞にふくらむので、割ってうつわとして使えるのも魅力。ケータリングではフィンガーフードのうつわにしたり、お重の中だとカップ代わりにもなります」

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シャルマ・ホールディングス「パニプリ」 200g ¥250

グリーンナスコ
ハラルフードの専門店。食材、調味料だけでなく、塊の羊肉などフレッシュな食材も。フードコートも併設されていて、串焼きなどを気軽に楽しめる。「豆の種類も豊富で、普通の店では手に入りにくいものも揃っています」

東京都新宿区百人町2-10-8 1F
tel:03-5332-5194
営)9時30分~24時
無休
www.nascohalalfood.com
 
山本千織 Chiori Yamamoto
2011年にケータリングでチオベンを始め、一躍話題に。近著は『チオベンの弁当本』(KADOKAWA刊)など。

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黒猫社・熊谷典子さん推薦

【オオゼキ池尻店】
やましなのフォロのドレッシング

もはやセレクトショップ!な、スーパーへ。

オオゼキは、一見すると大きめのスーパーマーケット。しかし、名だたるシェフや料理家が足を運ぶ、プロが一目置くスーパーだ。旬な生鮮食品がフレッシュで適正価格なだけでなく、あまりほかのスーパーでは入荷されない貴重な食材が入ることも。ぜひ、宝探しの気分で訪れてほしい店。

「フォロのドレッシングはとてもクリーミーで、どんな野菜にかけても味が決まる。ガレットやカリッと焼いたトーストに野菜をたっぷりのせて、このドレッシングをかけてもいいですね。忙しい時の強い味方です」

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やましな「フォロのドレッシング」 330ml¥459

オオゼキ池尻店
近くに個人が営む飲食店が多いためか、プロ好みのする食材が揃う。「活きたタコがビニール袋に入れられていたり、カンボジアの生のコショウがあったり、品揃えに驚かされます。また、目利きも素晴らしくて、『これはうまい!』シールが貼られた商品は間違いなくおいしい。行けば素敵な出合いがあるし、その日ないものもひとつから注文できるのもありがたいです」

東京都世田谷区池尻3-27-24
tel:03-5431-6588
営)10時~21時
www.ozeki-net.co.jp
熊谷典子 Noriko Kumagai
ケータリング専門のネコメシ。のほか、喫茶黒猫など秘密のサロンも営む。インスタグラムはkuronekosya1021

photos : JOHN CHAN, réalisation:MEI HOJO

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