世界中の多彩なお菓子が集まる、東京のパティスリー。
Gourmet 2019.04.29
日常のおやつから婚礼のお祝い菓子まで、伝統菓子といっても、その親しまれ方はさまざま。こだわりのテーマを掲げて世界中の菓子を扱う、ニューオープン店に注目したい。
ヨーロッパで買い付けた、老舗ブランド菓子をどうぞ。
シャルマン・グルマン
昨年12月、ヨーロッパ各地で愛されてきた老舗ブランド菓子のインポーターがブティック&サロンをオープン。看板商品は現存するスペイン最古のチョコレート「アマリエ」や1670年にサブレ侯爵夫人が考案したレシピで作る「ラ・サブレジエンヌ」。アンジュ地方の酪農家のおやつが発祥である「ル・クレメ・ダンジュ」にも、このサブレが飾られている。英国老舗ベーカリー「ハフキンス」のレシピで作るスコーンは、紅茶とともに召し上がれ。
パッケージも愛らしい老舗ブランドの菓子が並ぶ。
スイス・バーゼルで700年の伝統を持つスパイスビスケット「バーゼラー・レッカリー」¥1,491
ラ・サブレジエンヌの薄缶「シャ・ノワール」各¥2,268
手前は、2階サロンでいただける「ル・クレメ・ダンジュ」¥650、奥は、スコーンとティーのセット「トラディショナル・クリーム・ティー」¥1,620
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素朴でシンプルな伝統菓子を独自にアレンジ。
ミーガン・バー・アンド・パティスリー
マスタードホテルに併設された、世界のさまざまな国で親しまれる素朴な菓子を作るパティスリー。メキシコの「トレスレチェ」は、スペイン語で3種のミルクを使ったケーキという意味。牛乳、練乳、ココナッツミルクの3種を使用したひと味違うミルキーな食感が魅力だ。スイスの伝統菓子「エンガディーナ」には斬新なカルダモンの香りを忍ばせるなど、トラディショナルな菓子にもこの店ならではのエッセンスがプラスされ、未知なる味わいを楽しめる。
上から時計回りに、メキシコのミルクケーキ「トレスレチェ」¥700、スイスの「エンガディーナ」¥350、フランスの「マロンポンポネット」¥300
朝食からディナー、バータイムまで楽しめる、オールデイカフェレストラン。
スペインの伝統菓子ポルボロンの製法を基に、小麦粉ではなく米粉を使用したオリジナルレシピで提供。口の中でホロホロとほどけていく「ポルボローネ」1個¥150
東京都渋谷区東1-29-3 SHIBUYA BRIDGE B棟1F
tel:03-5962-7648
営)8時〜23時30分(月〜土) 8時〜16時30分(日) 不定休
https://megan.jp
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世界中の“おめでとう”を、お菓子に込めて。
ラ・フェット
ヨーロッパを中心に世界のお祝い菓子を扱う専門店。リンゴのコンポート入り「ピュイダムール」は、ルイ15世がポンパドゥール夫人のために作らせた愛の泉という意味を持つ菓子。しっとりとした生地にラズベリージャムがアクセントのイギリス伝統菓子「バッテンバーグケーキ」は、1884年にヴィクトリア女王の孫娘とドイツのバッテンバーグ王子の結婚を祝して作られたもの。“おめでとう”の気持ちが込もったケーキや焼き菓子を大切な人に贈りたい。
ひっそりと佇む小さなお店の扉を開けると、シックで洗練されたインテリアが。
左から、「バッテンバーグケーキ」ホール¥2,268、1ピース¥259、「ピュイダムール」¥410
上のケーキ2種に加えて半生チョコクッキーやポルボロンを詰め合わせた、5種のお祝い菓子セット「ラ・フェット」¥1,490
※『フィガロジャポン』2019年4月号より抜粋
photos : YUKO CHIBA, réalisation : MINAKO SHIMOI