緑茶、白茶、黒茶、紅茶、青茶――効能別お茶の選び方。

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世界中でさまざまな種類が楽しまれているお茶。飲むと身体の調子がよくなって、リラックスする感じがする。そしてお茶にはほかにも優れた効果がある。4人の専門家がお茶の効能について解説するフランスの記事をご紹介。

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お茶のさまざまな種類は、葉を摘み取った後の加工の仕方や発酵温度の違いによる。photo:Getty Images

世界には大きく分けて5つのカテゴリーのお茶が存在するが(中国茶は黄茶を含めて6カテゴリーとされる)、原料となる茶葉はどれもチャノキ(学名:Camellia sinensis)という同じ樹木から摘採。中国では5000年前に栽培が始まったといわれている。お茶のさまざまな種類は、葉を摘み取った後の加工の仕方や発酵の度合いによる。緑茶、白茶、黒茶、紅茶、青茶……それぞれのお茶に適した温度や蒸らし時間を押さえて、効能を最大限に引き出そう。

緑茶:記憶力の改善、心臓疾患予防

お茶についての主要な研究のほとんどは緑茶を対象にしている。緑茶はアジアで最もよく飲まれているお茶だ。不発酵茶に分類される緑茶の大半は中国で製造されている(世界の緑茶生産量の約70パーセントを占める)。茶葉は摘み取られた後すぐに加熱処理され、発酵酵素の働きを止める。健康維持に欠かせない有効成分が緑茶に多く含まれているのは、こうした製造方法のおかげだ。

効能

緑茶にはアンチエイジング効果がある。「緑茶にはポリフェノールだけでなく、カテキン、フラボノイドも多く含まれています」と薬理学者のジャン・コスタンタンは分析する。「これらの成分には活性酸素(フリーラジカル)が原因となって引き起こされる老化現象から身体を守る働きがあります」。温泉治療地ブリード・レ・バンの生活習慣病治療センターの責任者で、栄養士のナタリー・ネグロは次のように補足する。「ポリフェノールは種類を問わず、心臓血管の細胞の老化を防ぐのに効果的です」。身体に必要な量のポリフェノールを摂取するためには緑茶を毎日4杯飲むといいと、フランス人ソムリエのカトリーヌ・ニコラはアドバイスする。

緑茶の癌予防効果についての研究も進んでいる。ナタリー・ネグロによると、「2015年に発表されたある研究では、緑茶を1日1杯飲むと癌の発症リスクが全般的に低下するという結果が出ています」。緑茶に含まれる天然の抗酸化物質のひとつ、没食子酸エピガロカテキンに癌の発生を抑制する作用があるためだ。

「緑茶にはアルツハイマー病やパーキンソン病といった神経疾患の予防効果も期待されています」と薬理学者のジャン・コスタンタンは補足する。2017年にアメリカで行われた研究によれば、発酵させていない乾燥茶葉に含まれる没食子酸エピガロカテキンには、神経細胞の損傷を抑え、認知能力の衰えを軽減させる働きがあるという。

緑茶には神経の緊張を緩和する作用もある。緑茶は茶葉に含まれるテアニンを最も多く含有している。テアニンとは「リラックス効果を持つアミノ酸の一種で、これを摂取すると脳からアルファ波が出ることが知られています」とベルギー人ソムリエ、カリーヌ・アメリは説明する。「アミノ酸の一種のグルタミン酸には不安を鎮める効果があります」と薬理学者のジャン・コスタンタンは補足する。またカトリーヌ・ニコラによると、緑茶に含まれるポリフェノールにはテイン(カフェイン)の作用を抑制する働きがあり、これも緑茶を飲むとリラックスする理由のひとつだという。

淹れ方

カトリーヌ・ニコラによると「蒸らす時間は2~3分」。湯の温度にも気をつけてほしい。「お湯は80℃を超えないように。それ以上高い温度になると、風味が十分に引き立ちません」

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白茶:強い抗酸化力

主な生産地は中国、インド、スリランカ。「本物の白茶は新芽だけを使って作られます」とソムリエのカトリーヌ・ニコラは言う。「茶葉はごくわずかに発酵させます。発酵度は10%から20%程度」と言うのは栄養士のナタリー・ネグロ。緑茶、紅茶、青茶、黒茶などほかのお茶に比べて、軽い味わいが特徴だ。

効能

白茶にもやはり抗酸化作用がある。「ただ、白茶の抗酸化力は緑茶よりも強力です。花やごく若い新芽が使われているためです」とジャン・コスタンタン。メゾン・ディルマのお茶専門家カトリーヌ・ニコラによると、「チャノキの新芽には通常の葉に比べて26%多く、抗酸化物質が含まれているといいます」

淹れ方

フランス人ソムリエ、カトリーヌ・ニコラの勧める白茶の淹れ方を紹介しよう。蒸らし時間は2~3分。緑茶と同様、お茶の風味を損なわないために、茶葉に注ぐ湯の温度は80℃を超えないよう気をつけること。

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黒茶:高コレステロール血症の改善

黒茶の代表格はプーアル茶。中国の普洱市を原産とする特殊なお茶だ。プーアル茶も発酵させて作られる。しかも栄養士のナタリー・ネグロが言うように「時間が経つと美味しくなり、20年ぐらいは寝かせることができる、まるでワインやチーズのようなお茶です」。通常、食事と一緒に飲まれ、肉料理やカマンベールによく合う。テイン(カフェイン)の含有量が少ないので、夜に飲んでも大丈夫だ。

効能

ベルギー人ソムリエ、カリーヌ・アメリによると、「日本、中国、欧米で行われた複数の科学的研究で、プーアル茶には高コレステロール血症の改善に効果があることが立証されています」。2016年にはフランスの研究チームが、プーアル茶を毎日飲むことで、悪玉コレステロールが減少し、善玉コレステロールが増加することを明らかにした。薬理学者ジャン・コスタンタンもこの効果を認めている。「逆にコーヒーは、コレステロール値が悪化する原因になります」。ベルギー人専門家カトリーヌ・アメリによると「2gの葉で淹れたプーアル茶を、毎日4杯服用する」と効果的だという。

淹れ方

プーアル茶を淹れるときは、茶葉に沸騰した湯、つまり100℃の湯を注ぐようにとベルギー人ソムリエはアドバイスする。茶葉の量は、1ℓ淹れる場合は12 g、600mlで淹れる場合は5g。蒸らす時間は他のお茶に比べて短く、30秒から1分30秒が最適だという。「プーアル茶は長時間かけて茶葉を発酵させているので、5~6煎まで美味しく飲むことができます」とカリーヌ・アメリは言う。

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紅茶:緑茶と同じような効能を持つ

緑茶に次いで世界中で消費されるのが紅茶だ。このふたつのお茶の唯一の違いは、茶葉の発酵の度合いにある。「紅茶は発酵度80%から90%の完全発酵茶です。一方、緑茶は発酵させずに加熱処理だけを行って作られています」とナタリー・ネグロは解説する。茶葉は摘み取られると酸化酵素が働き、発酵が始まるとソムリエのカトリーヌ・ニコラ。この化学反応によって独特の風味が生まれるが、その代わり抗酸化物質の含有量は減少すると薬理学者のジャン・コスタンタンは言う。

効能

紅茶だけに特有の効能を挙げるのは難しい。「緑茶が持つ効能はすべて紅茶にも当てはまりますが、紅茶の場合、緑茶ほど効果は高くありません」と薬理学者のジャン・コタンタンは説明する。紅茶にもポリフェノール、カテキン、フラボノイドといった成分が含まれているが、含有量は緑茶に比べると少ない。「完全発酵の過程で茶葉に含まれるフラボノイドが酸化するためです」とコタンタンは補足する。というわけで、紅茶も細胞の老化防止に有効だが、緑茶ほどの効果は得られない。

それでも紅茶には抗炎症作用のあるカテキンが多く含まれており、冠動脈疾患のリスクを軽減させるという意見もあるとジャン・コタンタンは指摘する。

淹れ方

フランス人ソムリエのアドバイスによると、紅茶の蒸らし時間は3~5分が目安という。茶葉に注ぐ湯の温度は95℃程度が最適だ。茶葉を発酵させているため、緑茶に比べて風味が損なわれにくい。

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青茶:中性脂肪の燃焼、毛穴の引き締め

青茶の代表格は、中国、台湾の特産品であるウーロン茶。半発酵茶に分類される。鉄観音、凍頂、阿里山などの酸化度の低いウーロン茶は香りと味が口いっぱいに広がる。肉桂、大紅袍など酸化度40%以上のものはより香ばしい風味が特徴だ。

効能

ウーロン茶はポルフェノールを多く含み、これには中性脂肪の燃焼をうながす効果があると言われている。また毛穴を引き締める効果のあるタンニン、リラックスしている時に出るアルファ波をもたらすテアニンも含有する。

淹れ方

ベルギー人ソムリエ、カリーヌ・アメリによると、ウーロン茶は「工夫茶」と呼ばれる手順にしたがって淹れる。多めの茶葉に少量の湯、蒸し時間は短く、同じ茶葉にお湯を注ぎ足して何度も淹れるのがそのやり方だ。5gの茶葉に95℃の湯100mlを注ぎ、30秒蒸らして1煎目をいただく。次に、やはり30秒蒸らして2煎目をいただく。3煎目以降も同じように淹れる。「この方法で淹れると、一煎一煎違った味と香りを楽しめる」とカトリーヌ・アメリは言う。烏龍茶はティーポットで淹れてもいい。その場合は、6gの茶葉に95℃の湯500mlを注いで淹れる。5分間蒸らしてからカップにウーロン茶を移し、少し冷ましてからいただく。フランス人ソムリエによると「ウーロン茶の風味を堪能するためには、飲む時の温度は60℃が理想です」

お茶を美味しく飲むために。

乾燥させた茶葉に熱い湯を注いで蒸らすのがお茶を淹れるときの基本だが、お茶を美味しく飲むにはほかにも気をつけたいことがある。お茶専門家カトリーヌ・ニコラと薬理学者ジャン・コスタンタンによる、優れた効能を持つお茶を堪能するための3つのアドバイスを紹介しよう。

■茶葉が手摘みなどの伝統的な方法で摘採され、現地で保存されたものであるか確認する。
■水は硬度の低いものを選ぶこと。ナトリウム含有量の少ない、ph7に近い中性の水が最適。
■お茶の有効成分が損なわれないよう、砂糖や牛乳は加えず、ストレートで飲む。

text:Mélodie Castan (madame.lefigaro.fr)

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