お家で作る世界のホテルのレシピ。#15 【世界のホテルレシピ】著名パティシエのリンゴタルト。

Gourmet 2019.12.23

世界のさまざまな国のホテルのシェフが、家でも作れるホテルの味を伝授する連載「お家で作る世界のホテルのレシピ」。今回は、世界中にファンを持つパリのル・ムーリスのシェフパティシエ、セドリック・グロレが、味もフォルムも芸術的なリンゴのタルトのレシピを紹介!

リッチな生地と、凝縮されたリンゴのおいしさ。
ル・ムーリスフランス

リンゴのタルト

いまパリはもちろん、世界で最も注目されているパティシエ、セドリック・グロレ。憧れのホテル「ル・ムーリス」のシェフパティシエである彼の作るケーキは、いつもシンプルだ。余分な飾りがないのに、どんな着飾ったケーキよりも目を引く、美しいフォルムとデザインが特徴だ。

今回のリンゴのタルトもまさに彼らしいケーキ。いちばん底のパート・シュクレにはしっかりバターと砂糖を使って、甘く香ばしい。その上のアーモンドクリームにも、バターと砂糖、そしてアーモンドパウダーがたっぷり。リッチなこのふたつに対して、中に入れるリンゴと外側のリンゴは、まさに素材そのもの。砂糖はいっさい使わない潔さだ。凝縮されたリンゴの甘酸っぱさと、それを支える甘さのバランスが最高。素材重視のこのレシピで、リンゴの味はとても大事。コンポートにはグラニースミス、表面にはロイヤルガラというリンゴを使うのがオリジナルだけど、ロイヤルガラは日本では手に入りにくい。代わりに、春紅玉がおすすめ。紅玉よりも日持ちがして色も綺麗。バターの香りとリンゴは、シャンパーニュとも好相性!

191021-Tarte-aux-pommes©pmonetta-7701.jpg

パート・シュクレ(タルト台) *前日に用意
〈材料 約2台分(2×18cmのセルクル型)〉
バター 150g
粉砂糖 95g
アーモンドパウダー 30g
ゲランド産の塩 1g
バニラパウダー(手に入らなければバニラビーンズ1/2本程度やバニラオイル数滴で代用) 1g
卵(全卵混ぜたもの) 58g
薄力粉 250g

〈作り⽅〉
1. ボウルに常温に戻したバター、粉砂糖、アーモンドパウダー、ゲランド産の塩、バニラパウダーを入れ、泡立て器で混ぜる。
2. 卵を加えてしっかり混ぜ、その後薄力粉を加える。
3. 生地が固まるまで冷蔵庫で寝かせる。
4. 麺棒で生地を3mmの厚さに延ばし、セルクル型に延ばす。
5. 冷蔵庫で半日冷やす。
6. 160℃のオーブンで25分、生地を空焼きにする。

アーモンドクリーム
〈材料 約2台分〉
バター 75g
生砂糖(なければ原糖など) 75g
アーモンドパウダー 75g
卵 75g
柑橘類の皮(すりおろしておく) 少々
お好みのハーブ 少々
ラム酒 少々

〈作り方〉
1. ボウルに常温に戻したバターと生砂糖、アーモンドパウダーを入れる。
2. 溶き卵を少しずつ入れ、ラム酒、すりおろした柑橘類の皮、ハーブを入れる。
3. パート・シュクレの底に塗り、175〜180℃で10分間オーブンで焼く。

リンゴのコンポート
〈材料 約2台分〉
リンゴ(グラニースミス) 1,000g(約3〜4個)
レモン 125g(1個程度)

〈作り方〉
1. リンゴの皮を剥いて、粗いみじん切りにする。
2. レモンの果汁を加え真空パックに入れる(なければ調理用耐熱ビニールに入れ、空気を抜いてしっかり閉じる)。
3. 100℃のオーブンで蒸す、または沸騰した湯で13分湯せんにかける。
4. 焼いたアーモンドクリームの上にのせる。

モンタージュと仕上げ
〈材料 約2台分〉
リンゴ(ロイヤルガラ。なければ春紅玉や紅玉) 2〜4個
ノワゼットバター(焦がしバター) 50g

〈作り方〉
1. リンゴの皮を剥かず、4等分して芯を取り、2mmの厚さに薄いくし切りにする。スライサーを使ってもよい。
2. 螺旋状に重ねて、外から中心に向かって並べていく。
3. ノワゼットバターを刷毛で塗って、175℃のオーブンに入れて6分焼く。
4. オーブンの温度を180℃に上げて、様子を見ながらさらに10分程度焼く。

調度品から食体験まで、すべてが芸術そのもの。


191021-LMP-le_Meurice_Alain_Ducasse-dinningroom-pmonetta.jpg

1835年の創業以来、進化を続ける「ル・ムーリス」。欧米に9軒のラグジュアリーホテルを展開するドーチェスター・コレクションのひとつであり、フランス伝統のパラスホテルに求められるエレガンスを体現したこのホテルは、サルバドール・ダリやパブロ・ピカソ、アンディ・ウォーホル、ファレル・ウィリアムスなど、多彩な芸術家たちに愛されてきた。美しい調度品はもちろん、ミシュラン2ツ星の「ル・ムーリス アラン・デュカス」や、いま最も注目のパティシエ、セドリック・グロレのスイーツが楽しめることなど、食にいたるまでまさに芸術そのものだ。2019年夏に29部屋のリニューアルが完了。なかでも620平米というパリいちばんの広さを誇るルーフトップスイートルームは、360度パリを眺められるとあって、世界中の憧れの的となっている。


Le Meurice
228, rue de Rivoli 75001 Paris, France
tel : +33 1 44 58 10 10
www.dorchestercollection.com


●問い合わせ先:
ドーチェスター・コレクション リザベーションセンター
0120-914-084(フリーダイヤル)


【関連記事】
お家で作る、世界のホテルレシピ。

réalisation : CHIEKO ASAZUMA, collaboration : KENTOS NETWORK

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

いいモノ語り
いいモノ語り
パリシティガイド
Business with Attitude
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories