アメリカのヘルシー志向の新世代に、第2次モチブーム!

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写真・文/安部かすみ(在ニューヨークジャーナリスト、編集者)

「タピオカドリンク、アニメ、餅、寿司、抹茶……と同じように好きでいてくれたら」。テニスの大坂なおみ選手は最近、増加するアメリカのアジア人差別を憂い、このようにインスタグラムで呟いた。このコメントでもわかるように、餅=モチはアメリカで定番人気の食べ物だ。

独特のネバネバ、もちもちした食感はアメリカンフードにはないので、ひと昔前まで「スティッキー!」と怪訝な顔をされてきた異国の得体の知れない食べ物だったが、いつしかフードトレンドの仲間入りを果たした。

210401-omochi-01.jpgphoto:iStock

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アメリカでモチがトレンドになったのはいつ?

フード専門家の中には、1990年代から一部の人々にモチは人気だったと唱える人もいて諸説があるが、筆者はここまでのトレンドとなったのは2008~10年あたりからとみている。グルテンフリーの流行に乗ったのがまず大きい。新しいもの好きのミレニアル世代がインスタグラムなどソーシャルメディアで発信したことも人気を加速させた。

タイミングもよかった。ラーメンが世界中で大流行したことで日本食に再びスポットライトが当たったからだ。雪見だいふくを彷彿とさせるモチアイスが一般のスーパーに登場しだしたのも2008~10年あたりだと記憶している。

210401-omochi-02.jpgホールフーズマーケットなどのスーパーでモチアイスは定番商品として販売されている。

近年はさらにその進化系なるものがインスタを賑わせている。いわばモチブームのセカンドウェーブと呼べる現象だろう。

アメリカの2021年版モチブームをいくつか紹介する。

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モチとクッキーのハイブリッド「オモチクッキー」

アメリカのスイーツ界はここ数年、ハイブリッドデザートが人気だ。いまや古株的なクロナッツを筆頭に、クロッフル(クロワッサン&ワッフル)、クロッフィン(クロワッサン&マフィン)、モチ・チーズケーキ、グリルドチーズ・チーズケーキ、クッキー&マシュマロなど、コンビネーションデザートはジワジワと人気が広がりつつある。

その流れに便乗したのが、ニューヨーク発のモチクッキー「ボイス・モチ・クッキーズ」。モチ入りのショートブレッドスタイル・クッキーで、地元誌「タイムアウト・ニューヨーク」も「きっとダース買いしたくなる味」とレビューするほどのお墨付きだ。

210401-omochi-03.jpg「私たちがモチに注目した理由は、モチの美しさと食感が大好きだからです」と、販売元The Boiis Co.のリヴィ・メイジャさんは教えてくれた。

リヴィ・メイジャさんによると、ニューヨークでモチは(時期によって)人気に火がついたり落ち着いたりする定番デザート。スモールビジネスながら昨年7月に販売し始めて以来、モチクッキーはヒット商品なのだそう。

210401-omochi-04.jpg写真左から、モチクッキーは抹茶、ソルティッドキャラメル、紫芋。ほかにも時期により異なる季節の味が揃う。6個入り12ドルより。

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モチとドーナツのハイブリッド「オー!モチ」

感度の高いミッドタウンのデパート、ノードストローム。この地下にあるモチドーナツの「オー!モチ」も人気だ。米粉、ココナッツミルク、バターなどで作られたもので、見た目もインスタ映えする可愛さ。

実際に食べてみたが、ドーナツにしてはかつて食べたことのないほどのしっとりした食感で病みつきになるおいしさ。週末には売り切れるほどの人気で、グルテンフリーなのも(一部商品除く)、ヘルスコンシャスな客層が見逃さないわけだ。

210401-omochi-05.jpgオー!モチ抹茶味(2.75ドル)。

210401-omochi-06.jpgオー!モチ季節限定のピニャコラーダ味(2.75ドル)。

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ミッシェル・オバマによるNetflixの新番組「ワッフル+モチ」

この度のモチブームはフード界だけではない。オバマ元大統領の夫人、ミッシェル・オバマは21年3月16日より、Netflixで新しい番組をスタートさせた。その名も「ワッフルとモチ」。

ふたりの愉快な仲間、ワッフルとモチが冷凍食品の国から飛び出し、ミッシェル夫人と世界中を旅する番組だ。日本では味噌を作ったり、ペルーのアンデス山脈ではじゃがいもを収穫したり、イタリアでは香辛料を味見したりしながら、新鮮で身近にある食材を使ったレシピや、健康的な食生活を送る大切さを子どもたちに伝えてくれる。

オバマ夫人はファーストレディ時代も、数々のキャンペーンを通して健康な食事や食物の栄養価を紹介し、特に子どもの飢餓を減らすための活動に尽力してきた。夫が大統領としての任期を終えた後も主婦の手本として、また若者のメンター的な存在として注目され続けている。そんな夫人がNetflixを通してどのようなメッセージを送ってくれるのか。日本語でも観られるので、ぜひチェックしてみよう。

仲良しのワッフルとモチ。ふたりの夢はシェフになることだが、 彼らが作る料理はすべて氷でできていた……。ここから彼らの世界旅行がスタート。子どもと大人がキッチンで一緒に料理をしながら世界の文化に触れられる番組だ。

このようにアメリカでは、第2次モチブームが起こっている。モチは、ミレニアル世代に続くZ世代など若い層やクリエイティブな人々の間でこれからも受け入れられ、さらに進化を遂げていきそうだ。

安部かすみ KASUMI ABE
在ニューヨークジャーナリスト、編集者。日本の出版社で音楽誌面編集者、ガイドブック編集長を経て、2002年に活動拠点をニューヨークへ。07年より出版社に勤務し、14年に独立。雑誌やニュースサイトで、ライフスタイルや働き方、グルメ、文化、テック&スタートアップ、社会問題などの最新情報を発信。著書に『NYのクリエイティブ地区ブルックリンへ 旅のヒントBOOK』(イカロス出版)がある。

photos et texte:KASUMI ABE

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