風味豊かで実はおいしい!インド産コーヒーをお届け。

Gourmet 2021.05.25

2013年にインドで、マット・チサラジャンとナムラタ・アスタナ夫妻が創業したBlue Tokai(ブルートーカイ)は、チャイ(紅茶)文化が深く浸透している国に、インド産コーヒーの魅力を広めた第一人者。創業から8年で、いまやデリー、ムンバイ、バンガロールなど、インド7都市に31店舗を構えるまでに成長した。

彼らの居心地の良いカフェや、産地ごとに豊かな特色を持つコーヒー豆は、インドのおしゃれな若者層だけでなく、そこに暮らす日本人をはじめとする外国人の心もガッチリと掴んでいる。そのブルートーカイのコーヒー豆6種類が、日本でもオンラインショップで購入できるように!

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ブランド名の”Tokai”は、古代インドのマラバル語で「クジャクの尾」の意味。クジャクはインドの国鳥でもあり、象徴。画像は、ムンバイの高級ショッピング&住宅街、バンダラにあるブルートーカイのカフェ。

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ブルートーカイは、インド国内で生豆の調達から、自身の焙煎所での焙煎作業、販売、抽出されたコーヒードリンクの提供を行っている。
インドは実に世界第7位(2020年、WorldAtlas "Top Coffee Producing Countries"より)の収穫量を誇るコーヒー豆の産地。とくに上質なアラビカ種は、欧米各国をはじめ、日本や韓国など、コーヒー文化が根づいている地域へと輸出されてきた。

マットとナムラタのふたりは、コーヒービジネスを開始するにあたり、まずは南インドに集中する農園を訪ねて、上質な豆を売ってもらえるか打診するところからスタート。

「『豆は売ってあげられるけど、うまくいかないでしょうね。誰もあなたたちの売ろうとしている豆なんて買わないですよ。もうずっとこの仕事に携わっているからわかりますけど、皆が買いたいのは、インスタントコーヒーかサウスインディアンフィルターコーヒーですよ』と、とある農園主に言われて、心が沈みかけたわ。でも、一瞬の沈黙の後に『なんで無理だと決めつけるのですか?』と部屋の隅にいた農園主の息子さんが声をあげてくれたの。その時、インドのコーヒー文化を変えようとする冒険は、私たちからだけでなく、まさに農園から始まるんだと感じたの」とナムラタは、2019年の「Bloomberg | Quint」の動画インタビューで語っている。

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タミルナドゥ州にあるリバーデール産地で生豆を選り分ける女性たち。この産地では、1920年の創立以来、3世代にわたりコーヒー栽培が営まれている。ブルートーカイが取引きを行っている産地の多くが、従業員への無償の医療サービス、従業員の子どもの教育やミルクの保障、社宅の完備など福利厚生を備えている。

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ブルートーカイの掲げる信念は3つ。
ひとつは「透明性の維持」。産地、豆の種類、風味の特徴などがパッケージに表示されていて、消費者にはその豆の特徴がひと目でわかるようになっている。同時に、生産者に対しては、焙煎した豆を届けてブルートーカイの仕事を見せる。それは消費者と生産者への誠実さの表れ。

ふたつめは「学び続ける文化」。焙煎士見習いには、高度な感覚トレーニングを実施するなど、おいしいコーヒーのために、常に技術を磨き、人材を育てることを怠らない。

そして最後に「最高級の豆を調達するだけでは、おいしいコーヒーを作れない」という心構え。生豆調達専門チームを設置し、高品質な焙煎を行う仕組みの確立に投資して終わりではなく、ブルートーカイの考える最高の1杯を届けるために、専門的な手法をアップデートし、探究を続けている。

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カフェの丸窓は、ブルートーカイの透明性の象徴。キッチンや焙煎所を、カフェを訪れた人に包み隠すことなく見せる、という意識を表している。

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今回の日本進出は、インドで海外ライフスタイルブランドの輸入事業を手がけていた日本人ビジネスマンが、コーヒードリッパーやサーバー、フィルターペーパーなどのリーディングブランド、ハリオの販売を通じて、ブルートーカイの創業者に出会ったのがきっかけ。ブルートーカイの事業活動、社会的な思想、会社の雰囲気や企業文化に感銘を受け、より幅広いインドのライフスタイルや文化を日本の人々にも伝えたいと思い、彼らのコーヒー豆の販売に踏み出したのだ。

インドで味わえるおいしさを日本の消費者にも体験してもらうために、インドで厳選されたスペシャルティグレードの生豆を日本へ輸入し、保冷倉庫にて温度管理された生豆を、注文ごとに焙煎することで、日本でも最高の状態で提供する販売スタイルを採用。焙煎は、千葉県船橋市にあるフィロコフィア社(Philocoffea Roastery & Laboratory社)に依頼している。社を率いる焙煎士の粕谷哲は、2016年にアジア人初のWorld Brewers Cup(ワールドブルワーズカップ)を制した世界チャンピオンで、フィロコフィア社は、生産農家や栽培工程などを含めたコーヒー豆の特徴を理解し、焙煎を見極め、品質を管理できるからだ。

「コーヒーを通じて、自分と向き合えたり、ひととひとが繋がったりすることで、その1杯の周りに幸せが増えていく。コーヒーで誰かを幸せにしたい」という哲学を持つ焙煎士の粕谷が、ブルートーカイの「農園とそこで働く人々へ貢献したい」という創業理念に共感を抱いたのは言うまでもない。南インドのコーヒー豆農園からインドの都市部、そしていま日本へ。熱い気持ちが繋がることで届けられるコーヒーが、いままで知らなかったインドの魅力と奥深さ、そこに生きるひとたちの想いに気づかせてくれるだろう。

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カルナータカ州ビルギリ・ランジャン丘陵の標高1200~1650mに位置するアティカン産地のアラビカ種。フルーティな甘みとバランスの取れた酸味が特徴で、ミディアムローストの焙煎レベルの中でも、もっともダーク寄りなので、エスプレッソが好きな人にもおすすめ。「ブルートーカイコーヒー アティカン産地」 200g ¥1,020

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カルナータカ州ババ・ビューダン・ジリ丘陵にあるカレデベラプラ産地。この産地の起源は1900年代にまで遡る。コーヒー豆の手摘みと加工プロセスは専門スタッフが時間をかけて行い、パルプトナチュラルのコーヒーに特別なハイブリッドプロセスを採用。そのため独特なフレーバーがあり、よりコク深く、酸味が控えめになっている。「ブルートーカイコーヒー カレデベラプラ産地」 200g ¥1,020

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カルナータカ州チクマンガルールにあるホイサラ産地は、1800年代から4世代にわたりコーヒー豆農園を経営してきた。長い歴史の中で取り組んできたサーチモア種は、自然に作られた品種。プラム、赤りんご、メープルシロップといった、秋を思わせる風味が特徴で、エスプレッソベースのドリンクがおすすめだ。「ブルートーカイコーヒー ホイサラ産地」 200g ¥1,020

●問い合わせ先:
ブルートーカイ
www.bluetokaicoffee.jp/

texte : NATSUKO KADOKURA

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