春、アートピースのような花器を手に入れて。
Interiors 2020.04.21
家ごもりの時間が多いいまこそ、日々の暮らしをアップデートするチャンス。この春は、お気に入りの花器をひとつ、新調してみては。そのまま飾っても空間に映える花器に、旬の花を活けたら、普段の景色が瑞々しく生まれ変わるはず。パリと東京を行き来しながら活躍するフラワースタイリスト守屋百合香が、パリで見つけたモードな花器と花器に合わせた花の飾り方を提案する。
Schneid Studio
ドイツの「Schneid Studio(スナイト スタジオ)」のアトリエで生み出されるのは、女性の持つ柔らかな曲線のフォルムからインスパイアされたというポエティックな「Aura Vase」シリーズ。彫刻作品のような佇まいで、光の当たる角度によって生まれる影も美しい。
花器:Aura Vase II/Schneid Studio
花材:スイートピー(キャメル)、フリチラリア(メレアグリス)、ラケナリア
花合わせのポイント:ベージュ系のカラーでまとめて、より有機的で温かみのある印象に。花器に合わせて、繊細で曲線的なシルエットを描く花を選ぶ。
https://schneid.org
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101CPH
「101CPH」(101コペンハーゲン)による「Sphere Vase」シリーズは、デンマークのブランドらしく、ミニマルで洗練されたシルエットが特徴的。石のような質感や、グレーを基調とした落ち着いた色合いで、どこか日本的な空気も漂う。海外のインテリアスタイリストたちからも支持を集める注目のブランド。
花器:Sphere Vase Bubl Mini(左)、Sphere Vase Square Mini(右)/ともに101CPH
花材:ラナンキュラス(ラックス)
花器:Sphere Vase Bubl Medio/101CPH
花材:吉野桜
花合わせのポイント:モノトーンのコーディネートに赤リップを挿す感覚で、潔く。花だけでなく、空間の余白が生み出す凛とした美しさも楽しんで。また、枝ものを活ければ和の雰囲気にもマッチする。
https://101cph.com
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Andrea Kollar
「Andrea Kollar(アンドレア・コラー)」は、ドローイング作品を多く制作しているウィーン在住のアーティスト。セラミックアーティストとの共作「Woman Vase “Mathilde”」シリーズも、ウィーンでひとつ一つ手作りされている。女性へのポジティブなメッセージを感じる豊かで力強いフォルムで、サイズは小さいながらも抜群の存在感。
花器:Woman Vase “Mathilde” White/Andrea Kollar
花材:チューリップ(ブラックパーロット)、チューリップ(球根)、パンジー、フリチラリア(ウバブルピス)、ポピー、メラスフェルララモーサ、雪柳
花合わせのポイント:花器のインパクトにも負けない、カラフルでハッピーな春の花たち。それぞれの動きを生かして、作り込みすぎず、踊るようにのびのびと。
www.andreakollar.at
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GUAXS
花の美しさを引き立ててくれる名脇役となるガラス花器が揃う「GUAXS(グアックス)」。花器自体が主張し過ぎることなく、シンプルながらも空間に映える、静かな存在感がある。また、色やサイズのバリエーションの豊富さや花の活けやすさ、シチュエーションを選ばずに使える点も大きな魅力。ガラスのカッティングが絶妙で、さまざまな表情を見せてくれる。
花器:Kahulu Vase/GUAXS
花材:ミモザ
花合わせのポイント:野に咲くようなナチュラルな花を、無造作にばさっと活けるだけでも決まる。ガラスが半透明なので、水に浸かっている部分にも気を配って活ける一手間を大切に。
www.guaxs.com
パリのフローリストでの研修、インテリアショップ勤務を経て、独立。東京とパリを行き来しながら活動する。パリコレ装花をはじめとした空間装飾、撮影やショーピースのスタイリング、オンラインショップ、レッスン、コラム執筆などを行う。
Instagram:@maisonlouparis
www.maisonlouparis.com
texte, photos et stylisme : YURIKA MORIYA