家族の愛と旅の記憶に包まれた、緑豊かなLA郊外の家。

Interiors 2021.08.31

LOS ANGELES
ホピー・ストックマン/アーティスト、ブロックショップテキスタイル CEO

ホピー・ストックマンが暮らすのは、ダウンタウンの北東 の丘を頂上まで上った場所に建つ家。高い天井まで続く壁には窓やガラス扉が多く配され、陽光が燦燦と差し込む。家の中にいても、自然あふれる外の景観と一体化するような開放感だ。ピンクやイエロー、オレンジのポップな色使いが明るく気分を上げてくれる一方で、あちこちに置かれたオーガニックコットンやリネンの布が落ち着いた温もりを醸し出す。

「ニュージャージー州の田舎で、自然に囲まれて育ったの。緑あふれる景観が、家探しのいちばんの条件だった」 

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自然に抱かれるような景観を条件に探した家。緑あふれるテラスは、ファブリック使いでより寛げる空間に。料理を作って、このテラス席で楽しむ時間が大好きだという。

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ブロックショップの布を使ったピローや椅子が並ぶリビングの一角。「まるで居心地のいい船のようでしょう?」 

Hopie Stockman /文学や経営学を 専攻した大学時代もアートはいつも身近に。ロサンゼルスに拠点を移し、姉とテキスタイルブランド、ブロックショップテキスタイルを創業。


四姉妹の次女だったホピーは、テレビもない環境で、姉妹たちと想像力を育みながら遊んでいたという。自由に絵を描いたり、冒険したり、手の込んだ物語に衣装や舞台を設けて芝居をしたり……少女時代の話はまるで、年代版『若草物語』だ。両親と祖母からは、手仕事の楽しさや自由な創造力、仲間との絆、起業精神、そして家族愛を教わった。

「祖母と母は、私たち姉妹に創造の楽しさを教えてくれた。 アートだって料理だって、作ること自体が喜び。彼女たちは、アート・オブ・リビングの最高のお手本だった」 

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現在、広い一軒家にひとりで暮らしているホピーだが、孤独を感じないのは、愛おしい家族や友人の記憶が、美しい形で寄り添ってくれているから。姉リリーの作品や友人のポートレート、クリエイター仲間と物々交換したアート、インドの旅の思い出……人との繋がりと創造力こそが、生活の喜びだと信じている。そんな彼女が手がける作品にも、強い意志を感じるもの、背景やストーリーを持つものが多い。ブロックショップテキスタイルが伝統継承や平等な雇用を重視してCSRに取り組んでいるのも、人との繋がりに重きを置く彼女の生き方が反映されている。

ホピーはどんなに多忙な時も、毎朝2時間絵を描くことを習慣にしている。マインドフルにリセットして、創造力を高めるためのスタート地点なのだ。家族や仲間の愛に包まれ、今日も彼女は想像力を羽ばたかせている。

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Living with Nature

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小さな机回りには、ブロックショップの木版画、ホピーが描いた親友の絵、姉が作ったうつわや仲よしの家具デザイナーWAKU WAKUの椅子など、クリエイター仲間のアートを置いて。

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My Creation

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コロナ禍で心を落ち着けたいと、淡いグリーンに塗り替えた客室の壁。白で丁寧に植物のステンシルも施した。

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「寄り添って昼寝をしたくなる」がコンセプトのブロックショップの寝具。壁の照明はロックダウン中にロサンゼルスの照明デザ イナー、ブレンダン・レイヴェンヒルとコラボで作った。

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紙粘土細工が好きで、はまっているというホピー。ピカソの陶芸をインスピレーションに作った鏡。

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Inspiration from India

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ブロックショップの商品の多くは、インドの手仕事のもの。コロナ禍までは、ホピーも1年のうち 2カ月をインドで過ごしていた。 バスルームの虎の絵は、ジャイプールにあるお気に入りのカフェの壁画を思い出しながら、最近描いた。旅ができないなら、恋しい場所を近くで感じたいと思ったそう。

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インドのボンベイで購入した、70年代のミュージカル『ヘアー』ボリウッド版ポスター。

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Friends & Family

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ホピーが着ているワンピース は、母が父の気を引きたくて着ていた服。姉の青いウサギの絵やアンティークの馬など、ノスタルジックなコーナー。

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姉が大学時代に作ったうつわや、ホピーの手作りのキャンドルスタンドなど。

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故マイケル・ケネディの陶器は、友人の母から贈られた宝物。

*「フィガロジャポン」2021年9月号より抜粋

photography: Yoshihiro Makino editing: Chinami Inaishi

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