ティファニーが創った、リュクスな温室とは?
Interiors 2018.05.18
去る4月に開催された、ミラノ・サローネ国際家具見本市の期間中、ティファニーは、ミラノの中心地、ドゥオモ広場にある旗艦店にて、クリエイティブインスタレーションを発表した。
アーティスト、マリリン・ミンターによるグリーンハウス。彼女は、欲望の力に批判的な目を向け、性と肉体の商品化に疑問を投げかける姿勢を貫いている。
このインスタレーションは、ティファニーのホーム&アクセサリーコレクションのヨーロッパローンチを記念して実施されたもの。このコレクションの遊び心とウィットをインスピレーション源として、店舗をグリーンハウス(温室)に見立て、ティファニーの職人たちが約1,000時間をかけて手作業で創り上げた精巧なスターリングシルバーやコッパー、ガラスを素材とするマスターピースの再解釈が展開された。ティファニーのチーフ・アーティスティック・オフィサーを務めるリード・クラッコフによって選ばれた5名の女性アーティストが、このグリーンハウスをもとにインスタレーションを制作。彼女たちが、グリーンハウスの概念を、現代的で革新的な視点で解釈。外に面したウィンドウディスプレイには、彫刻からコラージュにいたるまで、オリジナリティあふれる様々な作品を通して、アーティストたちの驚異的なビジョンが再現され、道行く人々の目を大いに惹きつけた。
「感情を場所へ変えること」に関係した作品を展開する、アンナ・ガルタロッサによるグリーンハウス。彼女のインスタレーションと彫刻は、イメージとオブジェの膨大な集積を特徴としている。
アナ=ウィリ・ハイフィールド作。創造活動における彼女の目的は、人間と動物の形態や意識の驚くべき相違点と類似点の両方が強調されるかたちで、自然との接触の瞬間を作り出すこと。
ローリー・シモンズ作。すでに国際的な名声を得ているシモンズだが、子供時代の記憶と、メディアが作り出したジェンダーロールを掘り下げる作品は、不気味な、夢のような特質を帯びている。
シャンテル・マーティン作。彼女の独特なモノクロ作品の表面下にあるのは、アーティストと見る側の役割についての探求。
texte:NATSUKO KADOKURA