皆川 明が関わったリチャード ジノリの新コレクション。

デザイン・ジャーナル

ミラノデザインウィークでは市内のさまざまなショップでも新作の展示が行われます。リチャード ジノリでは、ミナ ペルホネン(minä perhonen)の皆川 明さんとつくられた新作コレクションのお披露目がなされ、多くの人々の注目を集めていました。

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190425-journal04.jpgRichard Ginori Flagship Store Milanoの先日の風景。photo:Norio Kidera

スタイリングを手がけたのは、作原文子さんです。

190425-journal03.jpgphoto:Norio Kidera

ジノリの本社や工場がある花の都フィレンツェをイメージした「florentia」(フロレティア)。ジノリの人気コレクションである「ベッキオホワイト」に花の柄が描かれています。

「希望」を意味する名前がつけられた2017年の「SPERANZA(スペランツァ)」、さらに2018年の「GAIA(ガイア)」のコレクションに続く、皆川さんとジノリのチームとの二人三脚となるものです。

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190425-journal01.jpgphoto:Norio Kidera

関係者の説明で、このコレクション完成まで、皆川さんとジノリのチームとの、クリエイティブなキャッチボールがなされていることを知りました。

まずは皆川さんが、フロレンティアのテーマで描かれた花や蝶の図案を制作。次にジノリの絵付職人が、各々の解釈で絵付用の図柄を陶板に描写していきます。長く制作に関わるマエストロから若手まで、10名近い職人が関わっていました。

こうして描かれた図柄から、ジノリの絵付チームが使用されるものを選出します。その柄をコンピューターにとり込み、転写用デザインとなるデカルとしての調整がなされた後、完成したモティーフが、再び、皆川さんのもとに。

料理が盛られる景色を想定しながら、皆川さんがプレートやプラター、マグカップなど、それぞれにモティーフを配置していきます。……と、なんとも長い時間、やりとりの後にやっとフロレンティアの柄の完成です。

190425-journal07.jpgphoto:Norio Kidera

この繊細な青い色にも皆さんの想いが込められていました。「アキラが考える『ジノリブルー』を提案してほしい」との依頼を受けたことから生まれたのは、グリーンがかったブルーの色味。料理とうつわが調和し、一体になるようにとの皆川さんの想いがそこにはありました。

現在のジノリでは最大500色程度の色が使用可能です。が、今回はそれらとも異なる色でもあったため、色のテストが幾度も繰り返されたそう。また、それぞれのアイテムで同じ色の表情となるように、焼成する時間そのもので繊細な色の表現が試みられています。

「リチャード ジノリの青としてイメージしたものでしたが、偶然にも過去のアーカイブにこのブルーがあったことがわかりました。私にとっても、リチャード ジノリの歴史とそこに佇む美意識が融和できたような気がした、嬉しいできごとでした」と皆川さん。

190425-journal06.jpgディッシュ ラウンドS¥3240、マグカップ¥8100などより、ティーポット¥24,840まで、全25アイテム。5月15日より販売。photo:Norio Kidera

受け継がれてきたクラフツマンシップをより生き生きとしたものとして、私たちに見せてくれる皆川さん。今回の柄もその表情の美しさはもちろんのこと、大切なことをさまざまに教えてくれるものとして、魅力に溢れています。

関わった皆さんの対話を経て完成した新コレクションを前にしていると、心がはずんできます。この「florentia」、まさに私たちに贈られた美しい花々のようだと感じました。

●問い合わせ 
リチャード ジノリ・アジアパシフィック
tel:03-3222-1735
http://richardginori.co.jp

川上典李子 Noriko Kawakami

ジャーナリスト
デザイン誌「AXIS」編集部を経て独立。デザイン、アートを中心に取材、執筆を行なうほか、デザイン展覧会の企画、キュレーションも手がける。21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクターとして同館の展覧会企画も。
http://norikokawakami.jp

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