花桃ほころぶ雛祭り、春の花籠弁当風アレンジ
~ピンク×黄色、春の枝モノと花々のあしらい~

花のある週末 2016.02.26

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週が明ければ3月。3月3日は雛祭り、桃の節句ですね。
花屋さんでは、花桃が愛らしい花をほころばせ、雛祭りを祝うピンクや黄色の花々が並んでいます。女の子がいらっしゃるご家庭ではもちろんのこと、このウィークエンドはぜひリビングにぷっくり福々しく咲く花桃を飾って、春爛漫な桃源郷の気分を楽しんではいかがでしょうか。

3月は、チューリップやラナンキュラスといった春の人気の花々にプラス、樹の花たちが豊かに出回るシーズンでもあります。桃、こでまり、雪柳、木蓮、そして桜など......冬場に暖かい日が続いた影響で、今年は全体的に早く出回っている印象ですが、どれも今の季節しか楽しめない旬の花々。

日本は、いけばな文化の背景もあって諸外国に比べて枝モノに恵まれている国ですが、昨今は後継者不足などで伝統的な枝モノの出荷が減ってきていて、生産を存続させるためのプロジェクトが発足するなど文化を継承していくための活動が始まっています。自然界の春の息吹を部屋の中でも感じられる、それは何ともありがたく贅沢なひととき。日本の四季、日本人が繊細な感性を育んできた文化を、私たちも現代のライフスタイルの中で受け継いでいきたいなあ、と思います。

さて、今回の雛祭りでは「花籠弁当」風アレンジをご紹介します♪
リビングには花桃やこでまりの枝を長いままたっぷりと飾っていただきたいと思いますが、雛祭りをお祝いするホームパーティーには、その小枝をちょこっとつまんで少量のお花でもテーブルがぱあっと華やぐ花あしらいをしてみましょう。

器にした竹籠はもともと和菓子が入っていた籠を取っておいたものですが、ちょっと素敵なパッケージは花を活ける際に役立ちますので捨てないで!(笑) 竹籠に小さな食器を並べて、お弁当のおかずをつめるように彩り良く小さく花をあしらっていきます。きれいな色の器が見え隠れするのもデザインの一部、ぎっしり詰め込み過ぎないようにするのも品よくまとめるコツです。

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雛祭りの花籠弁当風アレンジ

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【材料】
花桃の枝   1本
こでまり   小枝を1本
菜の花    2本
ラナンキュラス「シャーロット」 1本
スカビオサ「プリティレディ」  2本
ハラン(葉) 1枚

竹籠
中に入れる小さな食器(湯呑茶碗や小鉢など) 適量
切花栄養剤  小袋1袋(500mlの空のペットボトル1本)

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【作り方】
1. 竹籠の中にハランの葉を敷きます。葉の表面をキッチンペーパーなどで軽く拭きホコリを取り、竹籠の内側にあわせて、ハランの茎の硬い部分と葉の上部をハサミでカットします。葉の表面が上側になるように竹籠の中に敷きます。
2. ハランの上に、小さな食器類を並べます。(写真は湯呑茶碗と小さなグラスを使用)
3. 500mlの空のペットボトルに水を入れ、切花栄養剤の小袋1袋を混ぜ入れます。竹籠の中の食器それぞれ8分目ぐらいまで水を入れます。
4. ラナンキュラス、スカビオサ、菜の花を短くカットし、器に活けていきます。このとき、花の長さに多少の長短をつけ、アレンジが平面的になりすぎないよう少し凹凸をつけるように活けると良いでしょう。
5. 菜の花の明るい黄緑色の葉も美しいので、茎を小さくカットして葉も花の近くに添えましょう。
6. 最後に、花付きや花の向きを吟味して小さくカットした花桃の枝とこでまりの小枝をあしらって出来上がり! 霧吹きでさっと表面に水をかけると花がイキイキします。

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花桃と菜の花にふくよかなラナンキュラスやかわいらしいチューリップやガーベラをあしらうのが雛祭りらしい花合わせになります。今回は、変わり咲きで人気が高いラナンキュラス「シャーロット」を1本入れて大人っぽいダークピンクのアクセントにしましたが、今の季節におすすめの「スカビオサ」も愛らしさの演出に一役買ってくれています。スカビオサは小さな小さな花がたくさん集まって丸く咲く花ですが、この小さな花がまるで金平糖のようでもあり雛祭りにぴったりな花だと思うのです。かわいらしい中に大人っぽい表情もある魅力的な花、最近は様々なカラーや咲き方の品種が出回っていますので、ぜひお気に入りのスカビオサを見つけてくださいね!

ところで、なぜ雛祭りに桃の花を飾るのでしょう......!?
ちょうど1年前のコラムの最後に詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

雛祭りの歴史は平安時代に遡ります。雛人形を飾り、桃の花を供えて女の子の無病息災を願うお祭り......千年を超える時を経てもなお、歳時として人々の暮らしに息づく願い、季節の花とともに大切にしていきたいですね。


そしてもう1点ご紹介したいアレンジは、前号に引き続きチューリップとパンジーの花合わせ。
来週はぜひ3月8日の「ミモザの日」に向けてミモザをたっぷりご紹介したいと思いますが、今回はチラ見せな感じで(笑)。花屋さんで出会ってしまった珍しいアンティークベージュのチューリップに魅せられて、どうしてもこのチューリップを活けたくて、春の花々を集めてみました♪

一世を風靡した伝説のバラ「ジュリア」を彷彿させる紅茶色、その名も「ラ・ベルエポック」というチューリップ。アンティークな色合いを重ねるように、シックなフリル咲きのパンジーと、昨今話題のラナンキュラス・ワックスシリーズからアンティークなピンク色をチョイス。ワックスのような艶のある花弁はまるでアール・ヌーヴォーのガラスのよう! 不思議で珍しいラナンキュラスです。そしてアンティークな色合いをつなぐユーカリの葉と、紅茶色のチューリップに宿る温かな陽だまり色を引き出すレモン色のミモザをふわっと束ねました。

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ふわふわのミモザ、この明るい黄色の花を見ると思い出すのが、フランス・コートダジュール、マントンという海辺の街でちょうど今の季節に開催されるレモン・フェスティバル「Fête du Citron」。
(ご参照:http://www.mycotedazurtours.com/?p=1703

前職の頃は、2月末から3月のはじめは南仏ニースやイタリアのサンレモに滞在する機会が多く、街中がレモンとオレンジに溢れかえるレモン祭りは楽しい想い出のひとつです。巨大なレモンとオレンジのオブジェ(山車?)たちのパレードとともに、爽やかな柑橘フルーツや春の花々のマルシェが立ち並び、飛び込んでみたくなるほどに山積みされたふわふわのミモザが束売りされていたり......! レモンの黄色とミモザの黄色は南仏の春の訪れを告げる色、テーブルを眺めながらしばし心は地中海へ......ああ、旅に出たくなりました!!

花の香りや色の記憶は、時に鮮やかに心をトリップさせてくれますね。
ではでは皆さま、花と素敵な週末を。

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撮影協力:JADE5

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