My favorite な春の花々で花あそび♪
~イースターカラーの花合わせ 後編~

花のある週末 2015.03.26

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桜の蕾がほころびはじめ、日本が薄くれないに染まる美しい季節がまた巡ってきました。

日本では古来から、桜は花の代名詞。
そんな桜のお話も後ほどしたいと思いますが、前回に続き今回も「イースターカラー」の花々のあしらいをご紹介させていただきます。移動祝祭日である「イースター」、今年は4月5日になります。デパ地下のお菓子売り場には、卵型のチョコレートや、ウサギのモチーフのパッケージなど、イースターにちなんだスイーツもたくさん! きれいな色のマカロンや、アイシングクッキー、カップケーキなどなど、愛らしいスイーツのギャザリングパーティーも楽しそうですね♪

今回もそんなイースターシーズンのテーブルにぴったりの簡単アレンジをご紹介しましょう。

まず、左上の画像のアレンジ。テーブルの上もよいですが、リビングの窓辺やキャビネットの上など、お気に入りのコーナーに飾っても素敵です。

コンセプトはずばり、「My favorite〜マイフェイバリット」。
花も雑貨も、自分のお気に入りを集めて飾りましょう! というものです。

スタイルが決まったフラワーアレンジメントとなると、主役の花はこれ、だから脇役はこれ、グリーンは何を......と役割やバランスを考えがちですが、ご自宅で自由に花を楽しむ場合は、あまり難しく考えなくてOK。この花が好き、この花も素敵、あっ、これもかわいい!......おおらかに、全部好きな花を選んでもいいと思うのです! 自分の「好き」ばかりを組み合わせるわけですから、ちゃんと自分のワールドにおさまるはず。

イースターがテーマということで、花の色はイエロー、ブルー、パープル、明るい黄緑あたりと決めておきながら、あとはお花屋さんで出合った一目惚れの花たちを数種類、1〜2本ずつピックアップ♪
そして、小さな花瓶や、普段はアクセサリーなどのせているトレー、そしてイースターのために買い求めたウサギのキャンドルなどの雑貨とコーディネートして、ディスプレイするように飾ります。
私が今回花屋さんで出会った「My favorite」は......
ムスカリ(球根付き)、パンジー、黄色の花はラッパスイセン、紫は八重咲きのアネモネ、グリーンの花はクリスマスローズ、黄色の星のような小さな花はオンシジウムという蘭になります。

昨今人気が高い球根付きの花。球根は生命が生まれいずるまさに卵! イースターにはぴったりのチョイスですよね。今回の球根付きの花は、透明感のある美しいブルーの小花がグレープ状に咲くムスカリ。この小さな花姿からいささか裏切られるかのようなセクシーな香りがしますが、それもそのはず。ムスカリの名前の由来はギリシャ語の「麝香(じゃこう)」、つまり「ムスクの香り」というわけです。

球根付きの花を飾るための小さな花器、私は手持ちのDURALEX(デュラレックス)の一番小さなサイズのグラスを使用しました。小さなグラスがなくても、大きめのグラスに複数の球根を入れて飾るのもかわいくてオススメです。画像右手のガラスの花瓶は、3〜4輪の花を挿せる程度の小さな口元のものですが、イースターの代表的な花でもある黄色のラッパスイセンなど数輪を、庭で摘んできた花をちょこっと飾るような感覚で活けます。花同士が重ならないよう高低差をつけてあげればOKです。

このラッパスイセン、特にイギリスで愛されている花だそうですが、欧米ではスイセンは「希望」の象徴とされています。また、古くから人と共にある花で、有名な神話が今に語り継がれています。

スイセンの学名「Narcissus」は、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスに由来します。その美貌によりモテモテだったナルキッソスですが、いつも冷たい態度。森のニンフ(精霊)のエーコーもナルキッソスに恋をしますが、相手にしてもらえない悲しみからヤセ衰え、ついに肉体をなくして声だけの存在になってしまいます。復讐の女神の呪いにより、ナルキッソスは水鏡に映る自分の姿に恋をするようになり......だからスイセンは水辺であたかも自分の姿を覗き込むかのように咲いているとか......自己陶酔型の人を意味する「ナルシスト」は、このナルキッソスの神話に由来し、こだまを意味する「エコー」は、森のニンフ・エーコーが語源だそうです。スイセンはナルシストだと思うと、フフフ......誰の顔が思い浮かびますか......(笑)。


さて、もうひとつのアレンジをご紹介しましょう。

イースターの楽しいイベントといえば「Egg Hunt(エッグハント)」!
緑のフサフサが不思議な花、なでしこの仲間であるテマリソウを芝生に見立てて、春の花咲く庭でイースターエッグを探す「エッグハント」のようなアレンジを作ります。これがまた超簡単なので、ぜひお気軽にお試しくださいね♪

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【グラスで簡単♪イースターのテーブルアレンジ】

<材料>
(アレンジメント1個あたりの花材)
テマリソウ2~3本
マトリカリア・シングルペグモ1/2本
もしくはギリア・レプタンサ(ブルーの花) 3~4本
グラスなどコップ状のもの
切花鮮度保持剤適量

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<作り方>
1. 花器となるグラスに水を半分ほど入れ、切花鮮度保持剤をそれぞれに適量入れます。

2. 花材は下葉をカットして葉が水に浸からないようにし、花の長さはグラスの高さよりやや長めにし、茎は斜めにカットして水がよく揚がるようにします。

3. グラスにテマリソウを2~3本挿し、こんもりと丸いボールのようにします。
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4. 細かく切り分けたマトリカリア、もしくはギリアを短くカットし、テマリソウの上に花が咲いているようなイメージで活けます。丸いフォルムの花なら何でもOK、スプレーマムなどでもかわいくできます。
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マトリカリア、素朴で可憐な春の草花。
安眠効果があるハーブのカモミールに似た、くすぐったい春の香りです。双方キク科の花で、実際マトリカリアとカモミールは親戚のような花なのです。マトリカリアの語源はラテン語の「matrix」=子宮、婦人病を治す薬草とされていたそう。写真のシングル咲きの品種だけでなく、ポンポン咲きの品種や、色も黄色やピンクなど最近はいろいろな種類のマトリカリアがあります。眺めているだけ思わず微笑んでしまうような、少女の頃の春の日を思い出すような、そんな優しい気持ちになる愛らしい花。日持ちも良いので、ぜひお部屋に飾って癒されてくださいね。


最後に、これからまさにお花見の季節を迎える桜について少し。
桜の美しさは、麗らかで儚く、時に幽玄で、私たち日本人の心の花です。古代の人は桜を神と畏れ敬いました。「桜=サクラ」の名の由来には諸説ありますが、サクラの「サ」は「早苗」や「早乙女」の「サ」と同じく"田の神""穀物に宿る精霊"を表し、「クラ」はつまり「座」で"精霊が宿る場所"であることを意味するといわれています。神の宿る桜は、古代人にとっては絶対的な存在であり、桜の花びらが舞い散る様は神が大地に飛び移ることと解釈し、桜の咲き具合でその年の穀物の豊凶を占ったといいます。

古来から日本人は自らの生き様や心の有り様を桜に重ね、たくさんの詩歌が残されてきました。桜という花があったから、日本人はいろいろな時代を乗り越えてこられたのだろうと思わずにはいられません。刹那に散る儚さを愛でるもまた日本人の美学です。

桜が咲きはじめたと聞くと、心が躍りますね♪ 皆様は今年はどんな桜に出会いに行きますか......?

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