子どもの習い事は、何歳からどのように始めるべき?

Lifestyle 2019.11.11

子どもたちにとって習い事は必須だろうか? どのようによい習い事を見つけたらいい? 教育心理学の専門家が、子どもたちが習い事に没頭できる秘訣を教えてくれた。

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習い事を通じて子どもは新たな世界を発見できる。photo : iStock

多くの子どもたちは幼稚園に入学後、もしくはそれ以前からクラシックダンスやピアノ、テニス、劇場、水泳、乗馬などの習い事を始めている。習い事の選択肢が多すぎて、多くの親はしばしば頭を抱える。幼い子どもたちは幼稚園や家庭以外の世界を知るべきなのだろうか? 何歳になったら習い事を始めるべきだろうか? 本当に我が子に合った習い事を選ぶにはどうしたらよいのか? 教育心理学の名誉教授であるクレア・ルコント氏が回答してくれた。

子どもの発達における習い事の役割は何ですか?

習い事は、子どもが普段通っている学校や家族以外のグループに参加できるきっかけ作りになります。また、これまで知らなかった自分の新たな能力を知る機会にもなります。自分の新たな可能性を知ることで、子どもは自分に自信を持ちます。

習い事は子どもの発達に不可欠だとお考えですか?

いいえ、習い事はあくまで学校にプラスする活動です。「これはあなたにとってよいのだから」と押し付けてやらせるようなことは避けましょう。自宅で両親と一緒にパンを焼いたり、ボール投げをしたり、または外出したりする機会があれば、必ずしも別のアクティビティを行う必要はありません。ただし、テレビを見たり、ビデオゲームをしたりすることが唯一の選択肢である場合は、子どもは家から離れるほうがよいでしょう。

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子どもが既に知っていることを習わせるのは避けたほうがよいでしょう。

−クレア・ルコント

習い事を選ぶ際、子どもの関心事や、その子に向いているかどうかを考慮して選ぶべきでしょうか?

いいえ、子どもがすでに知っていることを習わせるのは避けたほうがよいでしょう。特定分野の専門家にあまりにも早く連れていくのもおすすめではありません。習い事の目標は、子どもが自発的に探求することのなかった世界を知ることです。

非常に活発で動くのが大好きな子どもは、スポーツ活動以外の何かに目覚めるきっかけを得ることができます。たとえば、演劇クラブに入れば、動くだけではなく、知的好奇心を伸ばすきっかけになります。

親は習い事を通して子どもの才能を発見できたらと期待しますが、それは期待しすぎでしょうか?

子どもが頂点に立てることを願い、両親は学校と習い事の両方にダブルのプレッシャーをかけてしまいがちです。3年間ほど習い事を続けていると、子どもは7歳頃にはある分野に情熱を注ぐことができるようになりますが、それは子ども自身の選択であり、親が選択することではありません。

何歳から習い事を始められますか?

ルールはありません。たとえば、赤ちゃん向け水泳教室のようなクラスの場合、非常に早い月齢から始めることができます。お母さんやお父さんなど家族と一緒に習えば、水に対する恐怖感をなくすきっかけになり、また家族と過ごす時間としてもよいでしょう。月齢が上がれば、小さな子どもたちももっと積極的に外へ出て行きたくなります。

幼稚園に入る頃になれば、ほかにも習い事を始めやすいでしょう。しかしながら、まず子どもの意見に耳を傾けましょう。子どもたちの中には習い事を掛け持ちするよりも家で想像を膨らませて遊んでいたい子もいます。まずは子どもたちの希望を尊重すべきです。

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子どもが体験授業を気に入らなかった場合はどうしたらよいでしょうか? 親はそれでも子どもに強いるべきでしょうか?

1回クラスを体験しただけでは、子どもがその習い事を好きかどうかはわかりません。理想的には3回は試したほうがよいでしょう。3回訪れても子どもが嫌がるようでしたら、強いる必要はありません。子どもが好きではない理由を理解するために、子どもとよく話をしたほうがよいでしょう。その理由は、必ずしもアクティビティ自体にあるとは限らず、教師、活動内容、または環境が要員している可能性があります。

子どもに負担をかけずに通える習い事はいくつですか?

幼稚園の間は週1回で十分です。小学校に上がれば、異なる分野の習い事を週2日行うことができます。すでに通っている習い事がチームスポーツの場合、2番目の習い事は個人的なものにすることをおすすめします。スケジュールも重要です。夕方6時以降にスポーツレッスンを入れないように注意しましょう。

子どもに習い事を多くさせすぎることに警鐘を鳴らし、子どもには何もしない時間を持つ権利があることを主張していらっしゃいますが、なぜそれが子どもの発達にとって重要なのでしょうか?

いつも何かに追われることなく、本当の意味でのリラックスが子どもには必要だと私は考えています。習い事を多く抱えすぎるとスケジュールがいっぱいになってしまいます。子どもには何のプレッシャーもない時間が必要です。

たとえば、子どもが暇だな、と言ったとしたら、それは自分の時間がある証拠です。そんな時は子どもに自分で何かする事を探してみなさい、とアドバイスしましょう。するとたとえば、飛んでいるハエを観察するなど、子どもは少しずつ自分で楽しみを見つけるようになります。

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texte : Sevin Rey (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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