SNSで話題の縮んだセーターの回復法、その効果は?

Lifestyle 2021.09.28

洗濯をして縮んでしまったセーターを救う“おばあちゃんの知恵”がフランスのSNSで話題になっている。でもそれって本当? テキスタイルの技術者からの回答を見てみてよう。

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洗濯で縮んだセーターを救うことはできるのか? photo:Getty Images

Tik Tokには、ダンスの振り付けやヒット曲、プレイバック、ジョークだけではなく、衣類を長持ちさせるためのアイデアも満載だ。中でもよく見かけるのが、洗濯機から取り出したお気に入りのセーターが子ども用のサイズになってしまい悔しがるユーザーが、ダメージを受けた衣類を救うためのテクニックを紹介するというもの。

方法は非常にシンプルで、冷たい水を貯めた浴槽に大さじ2杯のコンディショナーを入れセーターを浸し、それを吸水性のあるタオルの間に挟んで平らに乾かすものだ。これで新品同様、もしくはそれに近い状態になる。

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『回復不可能』

これは魔法なのか? 36歳のセシルはMサイズから6カ月のベビーサイズになってしまったカシミヤのセーターをよみがえらせようと、この方法を試してみた。「インターネットで見つけた方法通りに、柔軟剤入りの水に1日中セーターを浸しました。するとすごく柔らかくなり、6歳児のサイズになりましたよ」と、セシルは皮肉を込めて語る。

CTTN(Institut de recherche sur l'entretien et le nettoyage、手入れと洗濯に関する研究機関)のテキスタイル技術者であるファブリス・ランボーは、このネガティブな結果に驚かない。「激しい収縮(縮み)が生じたセーターは回復不可能です。このテクニックのアイデアは理にかなっていても、その効果は非常に限定的で、わずかにフェルト化された布片にしか機能しません」

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コンディショナーは奇跡の製品か?

フェルト化とは、非常に強力な手入れを施すことによって、毛織物がフェルトのような外見に変化すること。手洗い、もしくは洗濯機で洗うと生じる現象で、水と熱の作用で毛織物の表面をうろこ状の部分(スケール)が開き始め、これにより繊維がお互いに絡み合う。乾燥させると水分が蒸発し、繊維が締まり、元の状態よりも密度の高い素材が形成され、結果として縮むことになる。

Tik Tokで公開されたテクニックが役に立つ時もある。「コンディショナーがスケールをなめらかにし、繊維同士が絡みつかなくなって、衣類が緩んだ状態になります。しかしこれはスケールの絡みつきが少ない場合にしか機能しません。また、アイロンをかけたり、縮みを伸ばしてくれるドライクリーニング店に託すことによって、回復することもできます」と専門家は続ける。要するにTik Tokのテクニックが使えるのは、洗濯でセーターが“ちょっとだけ”縮んだ場合のみなのだ。

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表示ラベルに従う

繊維のなかには、洗濯すると縮みやすいものもある。表示ラベルを読まないがために縮んでしまう、なんてこともよくある。ラベルには、40度以上で洗濯できるか、タンブル乾燥してアイロンがけができるかどうか、が明記されている。製造時に「防縮加工」が施されているかもそうだ。「手洗いと書かれてあれば、その衣類がどのような性質のものか想像がつきます」とファブリス・ランボーは説明する。

●ウール、カシミア、モヘア

ほとんどのウール製品は洗濯機で洗うことができるが、洗濯する際には「デリケート」プログラムが設定されてるか確認しよう。水温は35度を超えないようにし、あまり強く脱水し過ぎないこと。いずれにせよ、ウールのセーターはタンブル乾燥機で乾かさず、平らにして自然乾燥することをお勧めする。

●コットンとリネン

セルロース繊維と言われるこれらの素材は、高温で洗濯することができるが、それでも洗濯中に多少の縮みが発生する恐れがある。洗濯するとジーンズが「よりきつくなった」と感じることは少なくない。しかしこれらの繊維は伸ばしたりアイロンをかけると緩む。コットンの中には洗濯時に縮むのを避けるために、縮みにくいポリエステルなどの化学繊維を混ぜているものもある。

●アクリルとポリエステル

合成繊維の糸は、洗濯や乾燥でサイズが縮むことはない。一方、ポリエステルの中には、アイロンをかけると縮むものもある。これは製造時に衣類を固定させる方法でもある。

●シルク

シルクも洗濯や乾燥では縮まない。最大の弱点は、変色や脱色のリスクがあることだ。クレープ織のシルクだけが水で縮むことがある。この場合、アイロンをかけることによって元の状態に戻すことができる。

text : Sabrina Pons (madame.lefigaro.fr), traduction : Yuko Tanaka

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