アートのような美しい照明で、部屋を灯す。

Lifestyle 2021.11.30

1962年、イタリア・メラノで設立された、住宅照明や建築照明の製品や照明システムを提供するグローバル企業のFLOS(フロス)。アキッレ&ピエルジャコモ・カスティリオーニ、フィリップ・スタルク、マルセル・ワンダーズ、ジャスパー・モリソン、パトリシア・ウルキオラ、nendoなど、数えきれないほど多くの才能豊かなデザイナーたちによって誕生した、象徴的な名作の数々は、オリジナルのカタログで世界に発信されている。そしてこの秋、ロンドンを拠点に世界的に活躍するマイケル・アナスタシアデスによる「COORDINATES C&W(コーディネーツ C&W)」とアムステルダムを拠点にするイタリア出身のデザインユニット、フォルマファンタズマによる「WIRELINE(ワイヤーライン)」、アート作品のようなふたつの新作が、日本にもお目見え。

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イタリア出身、アムステルダム拠点のデザインユニット、フォルマファンタズマが手がけたワイヤーライン。「私たちが光を愛する理由は、それが無形であるだけでなく、技術的であり情緒的でもあるということです。…LEDはデザイン、使用方法、人間の経験の面でルールを変えました。この変化により、光はパイオニアのための領域となり、デザインにとって最もエキサイティングな探求の場となりました」と彼らは語る。©︎Tommaso Sartori

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マイケル・アナスタシアデスによるコーディネーツは、ニューヨークの歴史的なフォーシーズンレストランが、2018年に移転・再開した際のメインダイニングエリアのための照明を進化させたもの。格子状に連結した照明器具のシリーズで、デカルト格子の数学的な緻密さからインスピレーションを得ている。2021年春にサイズの異なる3つのペンダント照明とフロアスタンドが発売され、この秋には、シーリング照明と壁付け照明が発売開始。カラーと素材は、洗練されたシャンパンゴールドのアノダイズド処理されたアルミ押出材とオパールホワイトのプラスチックシリコンのデフューザーから成り、精密でエレガントなこのコレクションは、室内のどんな場所でも、最小限のもので最大限のインパクトを与えることができるのだ。

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「どのような環境でも適応できるように極限まで削ぎ落とされたシャンデリアの形状で構成されています」と、マイケル・アナスタシアデスは語る。部屋の小さなコーナーに、壁付けタイプのコーディネーツを単独で飾るだけで、モダンなギャラリーのような空間に。照明「コーディネーツ W1」(日本仕様∅110mm、W800mm)¥112,000

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「様々なスケールを持つ異なった環境に簡単に取り入れることができる」とアナスタシアデスが述べるように、組み合わせることで、空間の雰囲気をダイナミックに変化させられる。広いラウンジやロビーには、シーリングタイプの照明をオブジェのように見せて。天井の照明「コーディネーツ C1」(H1232mm×W782mm)¥346,000など、壁の照明「コーディネーツ W2」(日本仕様∅110mm、H400mm×W800mm)¥148,000

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一方、フォルマファンタズマが手がけたワイヤーラインは、彼らの前作ワイヤーリングのデザインにつながる原理を再検討し、さらに一歩進めた作品。どちらもケーブルをデザインの中心にしたいという願望から誕生したものだが、ワイヤーラインでは、ベルトのようなゴムを平らにして、LED光源を内蔵したガラスをつなぐという重要な役割を持たせた。この作品は、2019年にミラノサローネとmiart(ミラノで開催される近現代美術の国際見本市)でVIPラウンジを演出したこともあり、すでに注目度大。ピンクとグリーンの2色で展開されるワイヤーラインは、ひとつでの設置ももちろんいいけど、複数の要素を組み合わせることで、より精巧な視覚的効果を得ることができる。ケーブルの長さは、天井の高さに応じて、最小で約2m、最大で約4mまで調整可能で、空間に優雅なラインを描く。

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フォルマファンタズマがフロスのためにデザインしたワイヤーラインは、テクノロジーと感情、工業生産と職人技を慎重に組み合わせた芸術的なアプローチで表現されている。照明「ワイヤーライン」(グリーン H2000-4050mm×W1300mm)各¥512,000

●問い合わせ先
フロス
www.flos.com/ja/

text: Natsuko Kadokura

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