エコのようでエコじゃない、布製エコバッグの問題点とは?

Lifestyle 2022.02.09

環境にやさしいということで、レジ袋のかわりに大量に配られるようになったエコバッグだが、その生産方法や使用頻度によっては、本当に環境にやさしいとは言えないようだ。

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デンマークの調査によると、布製エコバッグは、約7000回以上繰り返して使わない限り、本当にエコとは言えないようだ。

布のエコバッグはプラスチックのレジ袋よりも良い印象がある。エコのシンボルであるかのように持ち歩き、買い物で使っている人も多いだろう。もちろん、それが間違っているわけではない。ただし、2018年に発表されたデンマーク環境食品省の報告書によると、エコバッグの製造にかかる環境負荷を相殺するには、7000回ほど同じものを使い続ける必要がある。さらに、オーガニックコットンのエコバックの場合は、(非常に需要が高く、常に不足状態にあるため)約2万回も使用しなければ負荷を相殺できないという。

海洋汚染につながるプラスチックのレジ袋よりも、布製のエコバッグは確かに優れている。けれども、いまの使い方では、エコに見えるだけで、かえってそうではなくなってしまっっているかもしれない。1、2回使用しただけで、クローゼットの中に丸めて放置しているエコバッグは、環境にやさしいとは決して言えないのだ。

これらのエコバッグは、多くの場合、各ブランドの広告がわりに無料で大量に配られている。企業にとっては、エコな取り組みをさりげなくアピールできるという利点もある。しかし、問題はまさにそこにあって、過剰に生産されてしまうと、エコバッグが環境に良いとは言えなくなってしまう。

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エコのようでエコではない

英国環境庁が2011年に発表した調査でも、紙やプラスチック製などのバッグと比較して、布製のバッグが環境に良いとは言えないと指摘されている。製造、流通コストに加え、社会的費用が大きいからだ。米紙ニューヨーク・タイムズも2021年8月、綿花の栽培には水や農薬が大量に必要で、世界の綿の20%が中国新疆ウイグル自治区で生産されていることと、ウイグル族の強制労働問題との関連について指摘している。

さらに、布製のエコバッグを適切に処分するのは決して簡単ではない。バッグにプリントされているロゴやメッセージの染料はリサイクルできないため、ゴミとして焼却処分するしかないのだ。

では、いったいどうすればいいのだろう? 皆がたどり着く答えは同じ。エコバッグを増やすのはやめて、すでに持っているものを使うこと。そして、何度も繰り返し使うことだ。

text : Sabrina Pons (madame.lefigaro.fr), traduction : Aki Saitama

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