草野絵美×犬山紙子が対談「女の子はピンク、男の子は青」?
Lifestyle 2022.03.31
さまざまなジェンダー概念があり、多様性を認め合おうという時代に、子どもの性教育に関心が高まっている。9歳と0歳の男の子を育てるアーティスト草野絵美と5歳の女の子を育てるエッセイスト犬山紙子はどうしているのか?児童虐待をなくすプロジェクト「こどものいのちはこどものもの」でともに活動する間柄であるふたりが実践する、いまどきのジェンダー教育とは? オンラインで緊急対談!
草野絵美(アーティスト、東京藝術大学非常勤講師、歌謡エレクトロユニット「Satellite Young」主宰、歌唱担当)。1990年東京都生まれ。株式会社 Fictionera代表。2021年、当時8歳の長男のNFTアートプロジェクト「Zombie Zoo」が世界中のアートコレクターたちの目にとまり高額で取引される。今年は自身がクリエイティブディレクションを手がけたNFT作品「Shinsei Galverse」プロジェクトもスタートさせる。
犬山紙子(イラストレーター、エッセイスト)。1981年、大阪府生まれ。2011年『負け美女 ルックスが仇になる』(マガジンハウス刊)にてデビュー。日本テレビの「スッキリ」をはじめ、コメンテーターとしても活躍。2017年に1月に長女を出産。madame FIGARO.jpでは「犬山紙子がいま思うこと」を連載中。
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「女の子はピンク、男の子は青」を打開する。
犬山:娘はピンクが大好き。ただ、男の子の友だちに「女の子の色だからピンクは着ちゃだめ」と言ってしまうことが心配。人を傷つけるとなると子どもの言うことだからといって放ってはおけないから。娘が”女の子はピンク”と言い出したのは3歳のころ。発達段階的に人の気持ちを先回りして考えるのはまだ難しかった。
草野:パターン認識し始めただけなんだよね、本人としては。社会に出る中で、さまざまな情報に触れて分類しているだけ。そこに差別意識はなく、ただのパターン認識で”女の子はピンク”と言ってしまっている。
犬山:そこで身近な男性がピンクを着ることで「男の人もピンクを着る」と思ってもらう作戦を決行してみたの。夫が、じゃあ僕がピンクを着ますと。
草野:私も長男の友だちが「青は男の子の色だよ」と言った時に、長男は「でもうちのママは髪が青いよ」と言ったそう。身近なところで、パターン認識を打破する例を見せておくのは大事だよね。
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さまざまな性、家族の形を絵本で伝える。
犬山:あと結婚というワードが出た時に、男の子と女の子だけじゃないんだよと話をしている。男の子を好きな男の子もいるし、女の子を好きな女の子もいるし、好きって感じじゃない人もいるとさらっと。まだ娘のセクシャリティもわからないしね。
草野:私は絵本がおすすめ。同性家族の絵本『マチルダとふたりのパパ』(メル・エリオット著、岩崎書店刊)には、子どもにもわかりやすく多様な家族の形が描かれていて。最近は社会の関心も高まっているので、さまざまなジェンダーや家族の絵本が増えてきているから、意識して図書館で借りてくるようにしています。
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「女の子なんだから」に対抗するロールモデルを探そう。
犬山:親が気をつけていても、社会では『女の子なんだから』と言われることがきっとある。そんな時によりどころになれる絵本と出合わせて、勇気づけたいな。
草野:私たちも子どもの頃そうだったように、女性で活躍している人を知っていると頑張れる。たとえばアメリカの航空宇宙メーカーSpaceXのCOO、グウィン・ショットウェル。エンジニアでもある彼女が子どものころ母親に連れられて行ったイベントで、かっこいいスーツを着た女性エンジニアがいてその人に憧れてエンジニアになりたいと思ったそう。ロールモデルになる存在は重要で、それを示すのは親の役割。検索してそういう人を調べたり絵本を見せたりして、子どものロールモデルになる人を探すのもいいですね」
※対談の全編は「草野絵美のネオ子育てLab.」で閲覧可能。(要会員登録)
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